読書

吉田豊編著「江戸服飾史談 大槻如電講義録」

吉田豊編著江戸服飾史談 大槻如電講義録2001年4月1日第1刷発行185ページ A5芙蓉書房出版 http://www.fuyoshobo.co.jp/book/b101215.html 明治・大正期の学者大槻如電が、明治31年に三越呉服店の依頼で行った連続講演の記録を現代人向けに編集。やさしい語り…

読書 ロジャー・スミス著「血のケープタウン」

ロジャー・スミス著長野きよみ訳(原題 Mixed Blood)2010/6/10ハヤカワ・ミステリ文庫 生粋の南アフリカ人作家が描く話題の国のダークサイド。われわれ“北”の国々が失った、本物の渇きと祈りがここにある新世代ノワールの傑作誕生!アメリカからの逃亡犯ジャッ…

読書 平尾正治著「ソロモン軍医戦記」

ソロモン軍医戦記 軍医大尉が見た海軍陸戦隊の死闘2007年6月15日発行光人社NF文庫 二年現役軍医科士官、通称“雇われ軍医”としてソロモンの島々を転戦した医師が見た苛烈なる戦場の実態―南方の瘴癘の地で飢餓と伝染病という過酷なる状況に直面した日本軍将兵…

読書 尾川正二著「死の島」ニューギニア

「死の島」ニューギニア 極限のなかの人間2004年7月12日新装版発行光人社NF文庫 前人未踏の大自然の中で、東部ニューギニア十五万余の将兵は、連合軍との死闘を演じつつ、暑熱と闘い、悪疫と闘い、そして、飢餓と闘わねばならなかった。太平洋戦争中、最も悲…

読書 「愛書趣味」(文庫クセジュ)

ミシェル・ヴォケール著大高 順雄 (翻訳)1991年6月20日第二刷発行白水社 愛書狂を自他ともに認める著者が、古今のさまざまな分野の貴重本・珍本・美本・豪華本を採りあげながら、古書の真の価値と愛書家の条件を説き、愛書趣味の時代的変遷とその真髄を語る本書…

読書 黒岩正幸著「インパール兵隊戦記」

インパール兵隊戦記―歩けない兵は死すべし1999年2月10日発行光人社NF文庫 「歩けない兵は死すべし」―インパール撤退時、非情きわまりなき命令の下、雨の印緬国境へ投入された兵士たちが辿った苛酷な情況を、行間に怒りをにじませて叙述する感動のノンフィク…

読書 「近代フランスの事件簿」

フランスでは犯罪者や娼婦でもフランス語を流暢に話す 近代フランスの事件簿―犯罪・文学・社会小倉孝誠著2000/9/1淡交社 ヒ素による夫殺し(ラファルジュ事件)の裁判は、毒物鑑定をめぐって混迷し、真相が謎のまま美貌の妻マリーに有罪の判決がくだった。終身…

読書 平山夢明著「ミサイルマン(光文社文庫)」

2010年9月10日2刷発行 凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻曲がる銀食器……。〈顕現〉と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。愛娘を手に掛けたときに現れた究極の顕現とは?(「枷」)オンナをさらっては殺して埋めていた俺とシゲ。ある日、…

読書 平山夢明著「ヤギより上、猿より下」

平山夢明著2016年6月30日発行文藝春秋 「どうぶつ好き、あつまれ~!」『デブを捨てに』の〈悪夢〉は、まだ終わっていなかった――。「こんな小説、みたことないよ!!」〈イエロートラッシュ〉シリーズ第二弾 「あんたら全員、ヤギより上、猿より下なんだよ!」真…

読書 平山夢明著「デブを捨てに」

平山夢明著2015年02月20日発行文藝春秋 「うでとでぶどっちがいい」と聞かれ、でぶを選んだ俺は、“デブ”の若い女を、愛車のスパイダーに乗せ、北へと向かった……空前絶後、怒濤のロードノベルの表題作や、捨てた娘から三十五年ぶりに手紙をもらったおっさんに…

読書 平山夢明著「或るろくでなしの死」

21世紀の安部公房21世紀の実存主義 平山夢明著平成二十三年十二月三十日初版発行角川書店 良識を示そうとした浮浪者が誰にも相手にされずに迎える「或るはぐれ者の死」、他国で白眼視されながら生きる故郷喪失者の日本人が迎える「或る嫌われ者の死」、自ら…

読書「暗くて静かでロックな娘(チャンネー)」

ザギンでチャンネーとシースー 平山夢明著2015年12月25日第1刷集英社文庫 目と耳が不自由な美女と、何の取り柄もない男の純愛を描く表題作。ただの筋肉バカとなってしまった元アメフト選手の兄を持てあます弟の苦悩(「兄弟船」)。過去に人身事故を起こして…

読書 「独白するユニバーサル横メルカトル」

平山夢明著2006年12月10日4刷発行光文社 タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。彼が語る、主人とその息子のおぞましい所行を端正な文体で綴り、日本推理作家協会賞を受賞した表題作。学校でいじめられ、家庭では義父の暴力に晒される少女…

読書 平山夢明著「他人事」(集英社文庫)

平山夢明の衝撃と破壊力 2017年6月21日第8刷 鬼才が紡ぐ悪夢と狂気の世界交通事故にあった家族にふりかかる無関心という恐怖。孤独に生きる老婆を襲う悲劇など、理解不能な他人たちに囲まれているという日常的不安が生み出す数々の悪夢を描く14編。(解説/冨…

読書 岩尾龍太郎著「江戸時代のロビンソン」

江戸時代のロビンソン 七つの漂流譚2006年弦書房 不慮の海難事故によって鎖国下の日本から外海への漂流を余儀なくされた船乗りたち。その多くは戻ることはなかったが、数少ない日本への生還者たちについては彼ら自身の肉声をもとに記録が残され、その後、人…

読書 柳沢玄一郎著「軍医戦記」

軍医戦記―生と死のニューギニア戦光人社NF文庫2003/6/1柳沢 玄一郎著 自己の命をはかない境遇にさらしながら将兵の命を保全する―現役軍人として国家に滅私する責務を担い、そしてまた医者として、その重い務めを自らに課す。連合軍側が『世界で最も頑強な戦…

読書 菅野茂著「7%の運命」

7%の運命―東部ニューギニア戦線 密林からの生還光人社NF文庫2006/1/1 生存を望むべくもない東部ニューギニア戦線を生きぬいた末端兵士が描く悽惨な戦場の実態―飢餓に、傷病に、次々と戦友たちが斃れる中で、なぜ自分は生き残ることができたのか―自らのおかれ…

読書 武田専著「学徒兵らくだ君」

学徒兵らくだ君脱線学徒兵の人間讃歌光人社NF文庫ノンフィクション1997/11/13 不器用で虚弱ながら、ひとこと口数が多い正義漢。 兵隊には全く不向きな「らくだ2等兵」が、過酷な生活の中で人間らしく生き抜くために、上官達と繰りひろげる痛快無比の軍隊物語…

読書 野口孝行著「脱北、逃避行 (文春文庫) 」

2013/10/10492P 北朝鮮からの脱出を認めぬ中国の監視をかいくぐれ。成功と失敗、そして投獄。脱北支援に身を投じた著者が見た現実とは。捕まれば、死の送還。自由へのアジア縦断の旅北朝鮮からの脱出を認めぬ中国の監視をかいくぐれ。成功と失敗、そして投獄…

読書 黒武洋著「パンドラの火花」(新潮文庫)

2008/1/29461ページ 死刑執行を控えた男に、最後通牒が宣告された。「期限内に、過去の自分と対面し、犯行を思いとどまるよう説得せよ。成功すれば釈放、失敗なら、死―」絶望と孤独に苛立っていた16歳の自分。家族全員を殺戮した男は、時空を超え、その全て…

読書 植松仁作著「ニューギニア大密林に死す」

ニューギニア大密林に死す―前人未踏の熱帯雨林六百キロの撤退路 (光人社NF文庫) 2010/2/28光人社 267ページ 性根も尽き、体力も消耗し果て、『俺にかまわず先に行ってくれ』と食糧もないジャングルにただ一人残った兵士の心情―まさに草生す屍。航空地図と星…

読書「新堂冬樹著 闇の貴族(講談社文庫)」

2004/3/25 第6刷発行584ページ これが正真正銘の「闇金融」と「裏会社」闇世界の支配者となるべく策を巡らせ金と暴力で敵を食い尽くして、のし上がっていく加賀篤。だが大金と権力を手中に収めたとき、すでに悲劇と崩壊は始まっていた。この世界を支配する真…

読書 新堂冬樹著「炎と氷」

2003/10/1祥伝社単行本 1レース数分にして利息5割―分5と呼ばれる暴利の競馬金融を営む世羅。親友の若瀬と共に、九州から闇金融の頂点を目指し東京に進出して来た彼は、情け容赦のない追い込みで同業者からも怖れられていた。普段はギャンブル狂ばかりの顧客…

読書「ガダルカナル兵隊戦記」

牛尾節夫著 「ガダルカナル兵隊戦記」最下級兵士の見た戦場 光人社NF文庫1999年1月 年齢三十二歳―妻子ある老補充兵は、なぜ名も知らぬ孤島に立ち、なぜに飢えなぜに朽ち果てねばならないのか―。戦争のもたらす悲惨のかぎりをなめつくし、身の悲運を呪いなげ…

読書 新堂冬樹著「無間地獄/他」

新堂 冬樹著無間地獄幻冬舎2000/4/1 サラ金、街金はまだ甘い。最底辺の闇金は生け贄の全てを奪う。財産、職場、家庭、人権。女は肉体、男は臓器。金のためなら命も狙う。人はどこまで堕ちるのか。神への謀反か、悪魔への追従か。逃げるろくでなし、追う人で…

読書 新堂冬樹著「溝鼠」シリーズ

新堂冬樹著「溝鼠」徳間書店2005年 復讐を請け負う代行屋、鷹場英一。人の不幸と餌を愛し、対象者に恥辱と絶望を与えることを何よりの生きがいとしている。この日も依頼を受け、女の髪と眉を剃り落とし、頬を切り裂いた。報酬は二百万。仕事は完璧だった。だ…

読書 新堂冬樹著「君が悪い」/他

新堂冬樹著君が悪い (光文社文庫) 2011/8/10 「僕は悪くない…」中学教諭の竹林は、死体を前に呟いた。スナックのホステス桃華を取り合って、他の客ともめたのがすべての始まりだった。自宅に押しかけてきたその男を、はずみで殺してしまったのだ。さらに、発…

読書 新堂冬樹著「悪虐」/他

新堂冬樹著「悪虐」2011/7/26 「最愛の女を救うため、俺は悪魔になる。」至上最強・最悪の主人公が登場!新堂冬樹のノアールがここに結実。最愛の女性・サキがスキルス性のガンに侵され、余命三ヶ月と宣告された。絶望に見舞われた花崎修二は、サキからさら…

読書「吐きたいほど愛してる。(新潮文庫)」

新堂冬樹作品の衝撃! 新堂 冬樹 (著)吐きたいほど愛してる。 (新潮文庫)2007/7/30 愛、それは気高く美しきもの。そして、この世で最も恐ろしいもの。毒島半蔵の歪んだ妄想が、この世を地獄へと塗り替える。虚ろな心を抱える吉美が、浮気を続ける亭主に狂気…

読書「日中戦争一兵士の証言」

日中戦争一兵士の証言生存率3/1000からの生還 (光人社NF文庫)川崎 春彦 (著)2012/11/1 苛酷な初年兵訓練に耐えて大陸の戦場に送り込まれ、想像を絶する悪条件下での戦いを生き抜いた一人の下級兵士の見た日中戦争の一断面―敵弾雨飛の山野で歩兵として軽機関…