読書 新堂冬樹著「溝鼠」シリーズ

新堂冬樹
「溝鼠」
徳間書店
2005年

復讐を請け負う代行屋、鷹場英一。
人の不幸と餌を愛し、対象者に恥辱と
絶望を与えることを何よりの生きがいとしている。
この日も依頼を受け、女の髪と眉を剃り落とし、
頬を切り裂いた。報酬は二百万。仕事は完璧だった。
だが、英一の前に九年ぶりに現れた父に、
偽の依頼だったことを明かされる…。
人間の欲望を抉り出す暗黒エンタテインメント。
(本書紹介文より抜粋)

本書は新堂冬樹の作品の中では評価が高い。
早速読んでみた。
キャラクターといい、言動と言い、今まで架空の小説で
ノワールの世界でここまでの人物が居ただろうか?
ページをめくる手が止まらなかった。
これこそ小説の醍醐味だろう。

新堂冬樹
「毒蟲vs.溝鼠」
徳間書店
2006/4/18

溝鼠と通称で呼ばれる復讐代行屋の鷹場英一(主人公)が
タランチュラやサソリなどを扱う毒蟲と呼ばれる
大黒という別れさせ屋の男と対決するというストーリーです。
復讐代行屋の溝鼠は依頼人に頼まれれば、
どんないやがらせもするという男、一方、溝鼠に恨みを持つ毒蟲は、
男女関係のもつれの解決をするには手段を厭わないという男。
この二人が依頼人を巡ってトラブルになり、エンドレスな戦いが
展開されるノアールな小説です。
本書は新堂冬樹氏のベストセラー『溝鼠』の第二弾となっています。
内容は容赦のない戦いとどぎついまでのパワーに溢れ、
プロレスの場外乱闘にも通じる迫力に満ちた作品となっています。
(本書紹介文より抜粋)

本書は新堂冬樹の「溝鼠」シリーズの2作目。
やはり一作目よりもパワーが落ちた感じがする。

新堂冬樹
「溝鼠 最終章」
徳間書店
2013/1/17

姑息、卑怯、下劣、守銭奴、変態、悪魔…どんな罵倒もこの男の前では
褒め言葉に過ぎない。信じられるのはカネと自分だけ。
そのためには実父・源治の息の根を止め、姉すら見殺しにした。
溝鼠と呼ばれる男の名は鷹場英一。そんな英一の命を狙う男が現れた。
腹違いの弟・慎吾だ。源治の仇を討つため、慎吾は英一をハメる。
英一は強力な助っ人を呼んで対抗。慎吾も切り札を繰り出す。
四転五転する二人の形勢。最終ページで生き残ったのは!?―。
(本書紹介文より抜粋)

本書は新堂冬樹の「溝鼠」シリーズの3作目。
やはり二作目よりもパワーがかなり落ちた感じがするし、
もはやギャクと化している、物の例えが盛りだくさん。
もう本書の殆どのページが物の例えではないかと思ってしまうほど。
やはり一作目が一番良かったと思う。