読書 大石圭著 「エクスワイフ」

エクスワイフ(光文社文庫)2012年1月刊行

「この三百万で、亜里紗を買いたいんだ」
自分を捨てた美しく高慢な妻。
男の望みは、その身体を鞭で打ち据え、
泣き叫び許しを乞う姿を見ることだった。
憎しみに狂う男の胸に去来する思いとは?
(表題作)。
若さと美貌を失い、出張売春婦へと堕ちた
銀座の女を襲う地獄のような夜、
そして小さな希望(「オカメインコ」)。
異形の愛と欲望を鮮烈に綴る全八編を収録。
(エクスワイフ紹介文より抜粋)

大石圭の小説の「破滅へと続く道 右か、左か」
を読んで、今度は大石圭の短編集の
「エクスワイフ」を読んでみた。
異形の愛と欲望というテーマみたいだけど
私はそういう性癖に関してノーマルであり、
フランスの作家のサドは好きな作家だけど
SM自体には興味が全くない。
だからこれらの短編を読んでも楽しくはないし、
ざっと読んだだけだし特に感想もない。
まだ若い頃の中学生や高校生の頃の思春期ならば
こんな官能小説群を読んだらまた違う感想だった
かもしれないけど、既に爺になれば、ただの文字だけ
とかただの画像とかただの映像を見ても、
リアルではないし、そこには匂いも感触も
ないので興奮もしないし別に何とも思わない。
あーそうなんだとかだから何?・・・位なものだ。
性癖といえば若い女に限っていえば
ワンピースやミニスカに黒いタイツが好きだし、
腰まである黒髪のロングが好きだし
低身長ではなく、痩せておらず太ってもなく
丁度良い適切な肉付きのむっちりした恵体に白い肌
それにネイルやマニキョアをした綺麗な指と手を
した女が好きなくらいなものだ。
乳房はおわん型の美乳が理想。
あとはガーリーやフェミニンファッションの
女らしい若い女が好きくらいなもの。
大石圭の作品を読むと彼が好む女がわかる。
好きでもない女をわざわざヒロインとして
頻繁に登場させるなんてありえないからだ。
大石圭が理想とする女と私が好きな女のタイプは
もちろん同じではなく、かなり違う。
女の好みは本の好みと同じで他者と一致することはまずない。
本書の評価はネットで検索すると読者のほとんどは
このような官能小説を求めてないのがよく判る。
それはこの私も同様。本当に官能小説を読みたいなら
大石圭のほかにも無数に作家がいるわけだし、
読者は大石圭しか書けないものを読みたがってる。
蕎麦屋でカレーを注文する人は多くはないだろう。
なかなか行くことが出来ない遠方の海鮮が特産な土地で
どこでも食べることが出来るファーストフードをわざわざ
食べる人も多くはないはず。