2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

発禁本 竹内 逸 著 『浴室風景』(1935)56冊目

今回は竹内 逸 著 『浴室風景』を紹介する。 この本は官憲により発禁になった。(戦後に再刊) 1935年(昭和10年)10月に岡倉書房より刊行された。 内容は日本や西洋の女に関するエッセイである。 装丁は綺麗な作りで愛らしい。 日本の戦前の装丁技術の粋を…

読書 沢木耕太郎著『テロルの決算』(文春文庫)55冊目

今回、紹介するのは、沢木耕太郎著『テロルの決算』である。 昭和三十五年十月十二日に日比谷公会堂で演説をしていた、 社会党委員長浅沼稲次郎を当時十七歳の少年であった、 山口二矢(おとや)が刺殺した事件を描いたノンフィクション作品。 この事件は日…

好きな映画15 『ニューヨーク1997』(1981)

ジョン・カーペンター監督が、その名を轟かせた近未来SFアクション映画。 99分の上映時間を一気に駆け抜ける、 贅肉をそぎ落とした展開がストイックにしてスタイリッシュ。 とりわけ囚人スネーク・プリスキンに扮したカート・ラッセルの クールなキャラクタ…

読書 室生犀星著『性に目覚める頃』(新潮文庫)53冊目

今回は室生犀星著『性に目覚める頃』を紹介する。 この『性に目覚める頃』は文字通り、 性に目覚める思春期の少年を描いた、短編作品である。 室生犀星は、石川県金沢市生まれの詩人・小説家である。 この作品は室生の自叙伝的作品と言われている。 戦前の恋…

絵画18 好きなイラストレイター スージー甘金 『POPPOART』52冊目

今回は、私の好きなイラストレイターである、 スージー甘金の『POPPOART』(1991)を紹介する。 スージー甘金との初めての出会いは、 革新的なロック雑誌である、宝島紙上であった。 私が宝島を読み始めたのは1984年である。 そこで連載されていた、スージー…

おすすめの本 吉村昭著 『漂流』 新潮文庫 51冊目

江戸・天明年間、シケに遭って黒潮に 乗ってしまった男たちは、 不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。 水も湧かず、生活の手段とてない無人の島で、 仲間の男たちは次々と倒れて行ったが、 土佐の船乗り長平はただひとり生き残って、 12年に及ぶ苦…

7月19日『世界好色文学史第一巻・第二巻』(1929)49&50冊目

今回紹介するのは、 『世界好色文学史第一巻・第二巻』である。 この本は昭和4年1月に文藝市場社より刊行された。 第一巻目 佐々謙自編著者 500部限定出版番号入 総革製オフセット二度刷 オーナメント入 装丁家酒井潔 第二巻目 佐々謙自・酒井潔・梅原北…

昔聴いた音楽05 『LAST・PUNK・OSAKA』(1986)

大阪のパンクバンドを集めた、オムニバスLP。 S・O・Bが参加している。 S・O・Bの音源が録音された最初のレコード。 後日、S・O・Bは世界最速と言われるまでになる。 S・O・Bは好きなバンドの一つである。

7月16日 古書 春のや主人著『桐一葉』 (1896)48冊目

今回は春のや主人 (坪内雄蔵・坪内逍遙)著『桐一葉』を紹介する。 明治以降の新歌舞伎の代表作。 明治29年に春陽堂より刊行。 (私が所蔵しているのは、同年訂正三版) 写真の木版口絵(鈴木華邨画)は、 怨霊に怯える淀君が茶坊主を刺殺する場面を描いて…

読書 ベン・エルトン著 『ポップコーン』(1997)47冊目

アカデミー賞授賞式の夜、 見事に監督賞を射止めたブルースは、 意気揚々と帰宅する。だが栄光の夜は、 思いもよらぬ展開を見せた。 彼の邸宅が連続殺人鬼のカップルに占拠され、 ブルース自身も彼らの人質とされてしまったのだ。 駆けつけた警察とマスコミ…

絵画17 太田螢一 画 絵本『働く僕ら』(1991)リブロポート刊 46冊目

太田螢一の絵は異様な雰囲気で、 特徴が有る画風である。 丸尾末廣と同様、マスコミに取り上げられない イラストレイターである。

おすすめの本 安部公房著 『密会』(新潮社)44冊目

夏の朝、突然救急車が妻を連れ去った。 妻を求めて辿り着いた病院の盗聴マイクが 明かす絶望的な愛と快楽。 現代の地獄を描く長編。 (密会紹介文より抜粋) 今回は安部公房著 『密会』(新潮社)を紹介する。 安部公房は好きな作家の一人である。 寡作な作…

最近見た映画14 運命を分けたザイル (イギリス2003)

アンデスの過酷な雪山でザイルに繋がれたまま 遭難した2人の登山家の奇跡の生還劇を、 当事者たちのインタビューと迫真の再現ドラマで 描き出した真実の物語。 ジョー・シンプソンのベストセラー・ノンフィクション 『死のクレバス アンデス氷壁の遭難』を…

SF 『闇よ落ちるなかれ』(1939)43冊目

アメリカの若き考古学者マーティン・パッドウェイは、 稲妻に打たれた瞬間、20世紀のローマから 西暦535年の古代ローマにタイム・スリップしてしまった! そこは生きるに難しい時代だった。 精神的不安に由来する各宗派間の陰惨な対立抗争、 織烈化の一途を…

おすすめの本 安部公房著 『箱男』(新潮社)42冊目

ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、 都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。 一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、 そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。 輝かしいイメージの連鎖…

昔よく聴いた音楽04 INU『メシ喰うな』(徳間ジャパン)

町田町蔵がボーカルのバンド「INU」 歌詞が独特であり、今でも思い出す。 お前らは全く自分の空間に 耐えられなくなるからと言って、 メシばかり喰いやがって、メシ喰うな・・・。 そんな歌詞だったように思う。 これを聴いたのは1987~88年頃だったが、 ま…