おすすめの本 吉村昭著 『漂流』 新潮文庫 51冊目

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江戸・天明年間、シケに遭って黒潮
乗ってしまった男たちは、
不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。
水も湧かず、生活の手段とてない無人の島で、
仲間の男たちは次々と倒れて行ったが、
土佐の船乗り長平はただひとり生き残って、
12年に及ぶ苦闘の末、ついに生還する。
その生存の秘密と、壮絶な生きざまを巨細に
描いて圧倒的感動を呼ぶ、
話題の長編ドキュメンタリー小説。
(裏表紙レビューからの抜粋)

今回は過去に映画化もされた、吉村昭
『漂流』(新潮文庫)を紹介する。
私には沢山の好きな作家がいる。
中でも、吉村昭は大好きな作家の一人だ。
吉村昭の作品はどれも傑作揃いだ。
描写が淡々としており、独特な口調が良い。
吉村昭は漂流に関した作品を沢山書いており、
どれも傑作に値するが、その中でも、
この作品が一番好きである。
無人島で誰一人口をきく機会もなく、
十数年生き続けた男の壮大なドラマである。
これほど感動を呼ぶ作品、
胸を打つ作品はなかなか無いだろう。