2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

誰が猫の首に鈴をつけるのか? 映画『ワルキューレ』

アメリカ映画。2008年制作。120分。 違和感を覚えたのは、アメリカ映画に特有の、ドイツ人でありながら 英語を話す事。やはり、ヒトラーもドイツ軍人もドイツ人という者は ドイツ語を話すと言う事が当たり前に脳内に刷り込まれているので、 どうしても違和感…

懐かしい漫画 回転禁止の青春さ 江口寿史『ストップ!!ひばりくん!』

これでコンプリート!未収録作も収めたひばりくん完全版 1巻の表紙にはギターを携えた、涼しげなひばりくんが描かれている。 江口寿史の「ストップ!!ひばりくん!コンプリート・エディション」が 小学館クリエイティブから全3巻で刊行されることが決定した。…

洋古書『マガザン・デ・ドモワゼル(お嬢様のお店)』Ⅱ

上流階級やブルジョア達は、子息、令嬢には最高の教育をする。 これらの御令嬢は「(1)本当の意味のお嬢様」であって、 教育も最高の教育を受けている。 礼儀、教養、立ち振る舞い、ダンス、言葉使い等社交界で通用する様に、 それに良い縁談が出来るように躾…

洋古書『マガザン・デ・ドモワゼル(お嬢様のお店)』Ⅰ

フランス第二帝政期(1852-1870)のファッション・プレートの 挿絵画家を語る上で欠かす事が出来ない人物が三人居る。 この三人は(第二帝政期において)最も有名で かつ重要なファッション・プレートの挿絵画家である。 一人はJules David(1808-1892)、 も…

洋古書 エルアールの代表作『エプタメロン』Ⅵ

日本において、エルテやイカール(或いはローランサン等)は 他国では考えられないほど異常に人気がある。 これは疑問なのだが、日本には(他国と比較し)突出して それらのファンが相当多いようだが、そのファンは、 雑誌「ラ・ヴィ・パリジェンヌ」誌上で…

洋古書 エルアールの代表作『エプタメロン』Ⅴ

ジャコメ工房のPochoirは日本人には馴染みが無いと言っても 過言ではないが、フランスのアールデコ期の挿絵本には ジャコメ工房のPochoirがよく使われている。 (判りやすい事例を挙げれば、例えばマルティ等) ムルロー工房は、誰でも知っている。 このムル…

洋古書 エルアールの代表作『エプタメロン』Ⅳ

本書の挿絵はPochoirだと思われる。 ダニエル・ジャコメによる、ジャコメ工房によって、本書の挿絵は制作された。 ジャコメ工房のPochoirは、ダニエル・ジャコメ独特の創意工夫がなされており、 ジャコメ工房のPochoirの完成度はIMPRIMEUR D'ARTと言わしめる…

洋古書 エルアールの代表作『エプタメロン』Ⅲ

本書の印刷はパリから程近い、アルジャントゥイユにある、 Robert Coulouma印刷所で行われた。 Robert Coulouma印刷所は第一次大戦頃から第二次大戦頃にかけて 数々の有名な挿絵本が印刷されたところである。 (歴史に残るほど高名な印刷所である) 例えば、…

洋古書 エルアールの代表作『エプタメロン』Ⅱ

本書は、総発行数1550部の内、 アルシェ紙に刷られた限定150部の内の一冊。 この限定150部はカラー以外に、セピア色と青色の2種のsuite付。 ("本書の限定150部、それに限定40部の局紙"のものなどは、 なかなか市場に出る事は無い。極めて稀。稀覯本) 箱ま…

洋古書 エルアールの代表作『エプタメロン』Ⅰ

今回は、アールデコ期にフランスで活躍した、 挿絵画家シェリ・エルアールの代表作であり、 最高傑作であり(Pochoir技法の挿絵をふんだんに使った) 最大の挿絵本である、マルグリット・ド・ナヴァル著『エプタメロン』を紹介する。 (本書は私のお気に入り…