洋古書『マガザン・デ・ドモワゼル(お嬢様のお店)』Ⅰ

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

フランス第二帝政期(1852-1870)のファッション・プレートの
挿絵画家を語る上で欠かす事が出来ない人物が三人居る。
この三人は(第二帝政期において)最も有名で
かつ重要なファッション・プレートの挿絵画家である。
一人はJules David(1808-1892)、
もう一人はFrancois Claudius Compte-Calix(1813-1880)、
最後にAnais Toudouze-Colin(1822-1899)
(ちなみにアナイスにとってJules Davidは最大のライバルであった)
アナイスは、長年に渡り、数多くのファッション雑誌に、
夥しい数のファッション・プレートを描いた。
その中でも、今回はアナイスが「マガザン・デ・ドモワゼル1855-1856」
に描いた、ファッション・プレートを紹介する。
この時期の流行の大きな特徴は、クリノリン(crinoline)スタイルである。
こういうリボンやヒラヒラやレース満載のドレス、
クリノリンスタイルはとても優雅で綺麗で見ているだけでウットリ。
(これよりも後年のバッスルスタイルは簡素化されて味気ない)
また髪型も素敵で、またウットリ。こういう女らしい服装や髪型は実に良い。
(こういう服装や髪型は大好き)1840~1850代のファッション・プレートが一番好き。
アナイスって言う名前からイメージすると・・・(きっと美人と思いたい、そう信じたい)
どんな女性だったのか、とても知りたい。

また本書の元の所有者がどんな女性だったのか、とても知りたい。
また本書の元の所有者がどんな女性だったのか、とても知りたい。

マガザン・デ・ドモワゼルを訳せば、「お嬢様のお店」になるだろうか。
上流階級、或いはそれに準じたブルジョアの御令嬢の雑誌(月刊)である。
(この当時の女性の識字率は全体の5割程度)
読者層は十代半ばから遅くとも二十代半ば頃まで。
(二十代の半ばまでには殆どが結婚してしまう)
内容は道徳、歴史、科学、文学、美術、旅行、伝記、家政学
モードの読み物。それに気晴らし、娯楽(レクレーション)として
「REBUS」という判じ物が毎号載っている。
これは(江戸錦絵に有る様な)判じ絵であって、
今の雑誌にもクロスワードパズルやクイズが載っているのと同様に
言わば一寸したお遊びである。
(サロンでお友達と一緒に当てっこでもしていたのだろうか)

これらのファッション・プレートに描かれている様に、
お友達との楽しいおしゃべりは女性の大きな楽しみである。
(それは今でも変わらない)
地方在住者も、これを見て、今、パリで流行している服装や
オペラや文学等の話や社交界の醜聞や噂話をする。

(上から)
お嬢ちゃんにお菓子をあげている場面。

子供達。
この時代はまだ子供服は分化せず、
独立した存在ではない。

サロンでのお友達との談笑場面。