2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

古書 コクトオ著 東郷青児訳 『恐るべき子供たち』85冊目

今回、紹介するのは、コクトオ著 『恐るべき子供たち』(Les Enfants Terribles)である。 この本は、仮綴で、白水社から昭和9年に刊行された。 訳者・装丁は東郷青児。(彼は売れない時期には装丁も手掛けた)

気に入った写真04 『写真家 David Byun』

ファッションやコマーシャル・フォトの分野で活躍する、 写真家David Byunの作品である。凄く綺麗で幻想的だと思う。 David Byunのサイト http://www.davidbyun.com/

おすすめの本 吉岡源治 著『焼跡少年期』(1987 中公文庫)83冊目

今回紹介するのは、吉岡源治 著『焼跡少年期』である。 1987年に中公文庫から刊行された。(単行本は1984年に刊行) 帯にはこう書いてある。 「戦災の傷跡を刻む貴重な体験記」 正にその通りで、貴重な体験記だと思う。 これでもか、と言わんばかりに、 次々…

おすすめの本 野坂昭如著 『てろてろ』(1971 新潮社)82冊目

糞便学者ビン、オナニスト新吉、そして酒乱の禅介。 自分が何を憎み、何を愛するかも実感できず、 それぞれの嗜好に耽溺していた自閉症三人組にも、 あるとき殺意が芽ばえた。 殺人こそは他者との対話の究極の形と信ずる〈心優しきテロリスト〉に 変貌した彼…

好きな映画22 『アイデンティティー(Identity)』(アメリカ 2003)

天を突いたような豪雨の夜、 寂れた街道で交通事故が起こる。 加害者のエド(ジョン・キューザック)は、 近隣のモーテルに救援を求めるが、 豪雨で電話は不通。 道路も冠水し、行く手を阻まれてしまう。 やむなくエドはモーテルに引き返し、 天候の回復を待…

絵画19 コワカワイイ絵 『マーク・ライデン(Mark Ryden)』

1963年生。アメリカのオレゴン州メッドフォード出身。 車のペインティングやカスタムを仕事とする父親と 芸術を愛する母親の元、4人兄弟と共に南カリフォルニアで育つ。 1987年カリフォルニア州パサデナの Art Center College of Designを卒業。 アーティス…

古書 ジョージ・オーウェル著『一九八四年』81冊目

今回は、ジョージ・オーウェル著『一九八四年』を紹介する。 この本は吉田健一・瀧口直太郎による本邦初訳で、 1950年に文芸春秋新社より刊行された。 やはり昭和20年代の出版なので、紙質は悪いが、表紙が面白い。 この表紙は、1949年の「LIFE」の記事を元…

印象に残った写真03 山端庸介撮影『呆然と立ち尽くす若い女性』(1945長崎)

印象に残った写真を紹介する。 多分、私が死ぬまで忘れないだろう。 陸軍報道部員として、原爆投下翌日の長崎に入り、 写真を撮影した山端庸介の貴重な沢山の写真がある。 その写真の中で、この写真が一番印象に残った。 「焼死体のわきに、呆然と立ち尽くす…

映画21 二つで充分ですよ! 『ブレードランナー』(1982 アメリカ)

近未来、絶えず酸性雨が降り注ぐ薄暗い地球に、 植民地惑星から4体のレプリカントが脱走してきた。 彼らの捕獲を依頼された「ブレードランナー」のデッカードが、 潜入したレプリカントたちを追う…。 フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を…

古書 黒岩涙香著(翻案)『人耶鬼耶』80冊目

今回、紹介するのは、黒岩涙香著(翻案)『人耶鬼耶』である。 フランスの作家ガボリオ「ルルージュ事件」の翻案。 黒岩涙香は明治のジャーナリストであり、名翻訳家。 彼は自ら刊行する新聞紙「万朝報」に海外小説、 主に探偵小説を翻案し、連載した。 この…

エロチカ 安芸 順著 『女囚の谷間』(1959)79冊目

ソ連ラーゲルに於けるおどるべき女囚の性態 (本書帯宣伝文より抜粋) 今回、紹介するのは、安芸 順著 『女囚の谷間』である。 小壷天書房より1959年に刊行された。 内容は帯に有る様に、旧ソ連の収容所における、 女囚と日本兵との性的交流を描いた本である…

おすすめの映画20 『バタフライ・エフェクト』(2004 アメリカ)

今回は 『バタフライ・エフェクト』を紹介する。 この題名は、 「一匹の蝶の羽ばたきが、地球の反対側で竜巻を起こす」という、 初期条件のわずかな違いが将来の結果に大きな差を 生み出すという理論をあらわしている。 大変脚本がこなれている。 また役者も…

読書 天国にいる夫へ 『悲しい日記』(1996 冒険社)78冊目

大都会で疎外された母と息子の哀しい最後。 本書は平成八年四月に池袋で餓死した、 母子のうち、母が書き残した覚え書きを、 全文収録しました。 (本書紹介文より) 1996年に池袋で餓死した老婆とその息子。 その老婆が書き残した手記である。 読むと大変悲…

古書 貴司山治著 『ゴー・ストップ(改訂版)』 (1930)77冊目

今回は、貴司山治著 『ゴー・ストップ(改訂版)』 を紹介する。 プロレタリア大衆小説の『ゴー・ストップ』は、 元々は昭和五年四月一日に中央公論社より刊行されたが、 四月四日に官憲より発禁になった。 この本は改訂版で四月二十五日に刊行されている。 …

インパクトが有る漫画05 根本 敬 著 『怪人無礼講ララバイ』他73~76冊目

今回、紹介するのは、自ら「特殊漫画家」と称している、根本敬である。 「特殊漫画家」の名の通り、特殊な漫画である。 また「イイ顔のオヤジ」等と言う言葉を生み出した漫画家である。 彼の漫画には、その「イイ顔のオヤジ」ばかり出てくる。 内容は本当に…

8月16日 古書 黒岩涙香著(翻案)『幽霊塔』72冊目

今回、紹介するのは、黒岩涙香著(翻案)『幽霊塔』である。 C.N.Williamsonの「灰色の女(Woman in Grey)」の翻案。 この本はオリジナルではなく、扶桑堂より刊行された、 大正五年十一版の縮刷本である。 確か、これを買ったのは私が小学6年の頃、12歳の頃…

発禁本 羽塚隆成訳『ナポリの秘密博物館』(1929)71冊目

今回は羽塚隆成訳『ナポリの秘密博物館』を紹介する。 四六判 絹布装 昭和4年11月に、 文藝市場社より刊行されたが、官憲により発禁。 綺麗な装丁の本でデザインも素晴らしい。 元はフランスで刊行された本の翻訳である。

好きな映画17 『ラン・ローラ・ラン』(原題Lola Rennt 1998)

裏金の運び屋である恋人マニからの突然の電話。 「ローラ、助けてくれ! ボスの10万マルクを失くした。 12時までに金を作らないと、殺される・・・」 残された時間は20分。 大好きなマニが死ぬなんて考えられない・・・。 お金を工面するためローラは走り出す。 タ…

昔聴いた音楽07 『CITY ROCKERS』(1982)

「GAUZE」 ドラッグアディクト Oi うさぎ 戦場 消毒液 インポテンツ・キッズ 笑え アンチ・マシーン 農薬 中性子爆弾 インディーズレコード会社 CITY ROCKERS RECORDのオムニバス。 GAUZEの曲が10曲収録されている。 記念すべきGAUZEの初レコーディング作…

漫画04 山田花子著 『神の悪フザケ』他 67~69冊目

今回は、1992年に自殺した漫画家、山田花子を紹介する。 山田花子はそれほど知名度は(有名漫画家よりは)無く、 また画力も有るとは言えない漫画家である。 しかし、その作品は心の闇、精神の深遠 を描いた作品が多く、読む人を圧倒する。 山田花子は不器用…

アイカワ タケシ著 『虫けら艦隊』(1999)河出書房新社66冊目

ジミー・ヘンドリックスがなぜ死んだか、わかるか? これは、悪夢か、現実か、サイテーでサイコーなジャンク・ビート。 (帯宣伝文より抜粋) このぶっ飛んだ文章との出会いは、 雑誌「バースト」誌上においてが、初めてだった。 後日、単行本化されたので買…

日本パルプ・ノワールの傑作 馳星周著 『不夜城』(角川文庫)65冊目

今回、紹介するのは、金城武の主演で映画化もされた、 馳星周著 『不夜城』である。 馳星周は好きな作家の一人である。 この作品は日本のパルプ・ノワールの傑作だと思う。 この作品には善人などは一人も出てこない、 善人どころか、まともな道徳を持った奴…

古書 城左門 訳『夜のがすぱある』(1948 操書房)64冊目

今回は、城左門(城昌幸)訳『夜のがすぱある』を紹介する。 ベルトラン・アロイジウスの「GASPARD DE LA NUIT」の翻訳である。 この本は1948年に操書房より刊行された。 大変瀟洒な作りな本である。 当時は紙不足で、凝った造本が難しい時代であった。 それ…

漫画03 『サルでも描けるまんが教室』全3巻(1990~1992)63冊目

今回、紹介するのは相原コージ・ 竹熊健太郎著の『サルでも描けるまんが教室』である。 この本は画期的な本で、漫画というものを 徹底的に分析、解題した本である。 いままで漫画の描き方という 技術的な面ばかり注目され、刊行されていた。 漫画という表現…

8月7日 発禁本 下條雄三訳 『ペルシヤ・デカメロン』(1929)62冊目

今回、紹介するのは、 下條雄三 訳 『ペルシヤ・デカメロン』である。 表紙には「Der Persische Dekameron」とある。 ペルシャを舞台にした艶笑譚で、 挿絵がエロチックである。 文藝市場社より1929年11月に限定500部で、 発行頒布されたが発禁になった。 こ…

好きな写真家02 荒木経惟 59~61冊目

荒木経惟は私の好きな写真家である。 荒木経惟を初めて知ったのは、 白夜書房の「写真時代」を見てからである。 私が高校時であり、1982年だったと思う。 今となっては、写真時代は豪華な執筆陣である。 その後、写真時代を模した雑誌が竹の子の様に 創刊さ…

古書 乱歩の原点 黒岩涙香著(翻案)『白髪鬼』(1894)58冊目

今回、紹介するのは、明治の大新聞人・ジャーナリスト・ 翻訳家である、黒岩涙香著『白髪鬼』である。 元はメリー・コレル女史「ヴェンデッタ」(Vendetta 復讐)であり、 それを日本の読者向けに涙香が翻案したものである。 この頃の涙香本には木版口絵が一…

昔聴いた音楽06 『ハードコア・ショーケース』(1987)

このLPは仙台のハードコアのバンドを集めた オムニバスである。 それほど有名なアルバムでは無いのだが、 私はこれを何度も聴いた。 中でもランスロットというバンドが特に気に入った。 後日、ランスロットはソノシートを発売。 早速買って聴いてたが、やは…

おすすめの本 シェクリー著『残酷な方程式』(1971)57冊目

今回はロバート・シェクリー著『残酷な方程式』を紹介する。 ロバート・シェクリーは巧みなSFの短編を書く名手として知られている。 今まで何冊もの短編集を刊行しているが、どれも傑作揃いである。 オチや作品の構成等実に見事で、私の大好きなSF作家で…

後味の悪い映画16 『ファニーゲーム』(オーストリア1997)

2001年のカンヌ映画祭でグランプリを獲得したミヒャエル・ハネケ監督の97年の作品。 そのあまりにも挑発的で暴力的な内容に世界各地で物議を醸した衝撃の問題作。 監督自身、暴力が不快なものであることを再認識してもらいたかったというだけに、 観た人間は…