印象に残った写真03 山端庸介撮影『呆然と立ち尽くす若い女性』(1945長崎)

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印象に残った写真を紹介する。
多分、私が死ぬまで忘れないだろう。
陸軍報道部員として、原爆投下翌日の長崎に入り、
写真を撮影した山端庸介の貴重な沢山の写真がある。
その写真の中で、この写真が一番印象に残った。

「焼死体のわきに、呆然と立ち尽くす若い女性。
浜口町北端付近(爆心地から南300m付近)」
(この写真の紹介文より抜粋)

写真に写った女性は、8月9日は学徒動員で自宅を離れていた。
原爆が落ち、生き残り、自宅に帰ってみると家は無く、
残骸のみが有るだけだった。
そこに焼けただれた遺体があった。
母親の変わり果てた姿であった・・・。
何故、母親と判ったのかは、母親が着ていた服の柄を
覚えており、覚えが有る服の柄の一部が
焼けただれた遺体に焼け残っていたからである。
余りの事に、女性は呆然としていた。
自宅にやっとの思いで帰ってみれば、
母親が無残な姿になっていた・・・。
ただ、母親の遺体のそばで立ちつくすしかなかったのである。