読書 大石圭著「飼育する男」「死人を恋う」

飼育する男 (角川ホラー文庫)2006年刊行。
死人を恋う (光文社文庫) )2005年刊行。

昔、昔……。春のある午後、少年は森の中で、
日にさらされて色褪せた雑誌が落ちているのを見つけた。
何げなくページを開いた瞬間、若い女性の全裸写真が
視界に飛び込んで来て、思わず息を飲んだ。
少年はまだ7歳か8歳だったけれど、そんな少年でさえ、
それが普通のものではないことくらい理解できた。
幼い少年にとって、それは目が眩むほどの衝撃だった。
そして思った。いつか僕もこんなふうに女の人を、と――。
(飼育する男紹介文より抜粋)

(クリスマス・イヴに死のう)人里離れた山林に死に場所を求めた
「僕」の前に、一台の車が現れた。やって来たのは、自殺サイトで
知り合ったらしき男女6人―。彼らの最期を陰から見届けた僕は、
その中の一人の美少女に目を奪われた。彼女のあどけない死に顔が、
僕の冥い欲望に火をつけた...。
人間の深い業を描き、戦慄の世界へと誘う衝撃の書。
(死人を恋う紹介文より抜粋)

大石圭の小説を「処刑列車」「殺人勤務医」「湘南人肉医」と
読んで今度はこの上記の2冊の「飼育する男」「死人を恋う」を
読んでみた。なかなかの良作に思えた。
「死人を恋う」はコーマック・マッカーシーの「チャイルド・オブ・ゴッド」
の映画化作品を思わせる。この映画の中でも女の遺体を持ち帰るシーンがある。
映画は見たが、この「チャイルド・オブ・ゴッド」の原作は未読。