今回、紹介するのは相原コージ・
竹熊健太郎著の『サルでも描けるまんが教室』である。
この本は画期的な本で、漫画というものを
徹底的に分析、解題した本である。
いままで漫画の描き方という
技術的な面ばかり注目され、刊行されていた。
漫画という表現方法を類型化、体系化し、
詳細な考察を論じた本は、この本以前には無かったのである。
しかし、この本は漫画というものを詳細に分析することに
完璧に成功している。
私が『サルでも描けるまんが教室』に出会ったのは、
1989年だったと思う。
当時、この『サルでも描けるまんが教室』は
ビックコミックスピリッツに連載されていた。
初めて読み、私が感心したのは、「パンチラ進化論」であった。
このようなものを考察したものは、いなかったのである。
これは凄いと私は思ったのであった。
後日、単行本化され、私は早速買い求めた。
本当に面白くて、何度爆笑しただろうか。
私の笑いのツボにはまったとみえ、
私は何度も大爆笑したものである。
特に面白かったものを抜粋してみた。
写真をご覧頂きたい。
『サルでも描けるまんが教室』は、
相原・竹熊が漫画家デビューを目指すのである。
劇中、漫画のタイトルを考えるシーンがある。
そこで、編集者に、まだ使われていない漫画タイトルを
次々にあげていくのであるが、
笑ったのは、その漫画タイトルのインパクトである、
「ホカホカゴッドねえちゃん」・・・。
なんとなく牧歌的な「ホカホカ」+なんとなく威圧的な「ゴッド」
+なんとなくエロチックな「ねえちゃん」という、
その余りにもミスマッチな組み合わせが意表をつき、
笑わせるのである。
(笑いは意表を突くことから起こることもある)
次は「男のエロ・女のエロ」というもので、
性差を見事に体系化したものである。
よくご覧頂きたい。
皆、誰にでも見に覚えが有ると思う。
ここまで男女の性差というものを
簡潔に説明したのは凄い事である。
次は、PR漫画の説明で、つげ義春のパロディを使い、
説明している。うまいものだなと感心したのである。