おすすめの本 野坂昭如著 『てろてろ』(1971 新潮社)82冊目

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糞便学者ビン、オナニスト新吉、そして酒乱の禅介。
自分が何を憎み、何を愛するかも実感できず、
それぞれの嗜好に耽溺していた自閉症三人組にも、
あるとき殺意が芽ばえた。
殺人こそは他者との対話の究極の形と信ずる〈心優しきテロリスト〉に
変貌した彼らの、八方破れの心情と行動。
荒唐無稽の混沌の彼方に、
現代文明や風俗に対する確かな批評感覚を
浮び上らせた痛快テロ小説。
(本書紹介文より抜粋)

野坂昭如は、戦争を知らない私に、戦争とは何かを語り、
また、1970年代という時代がどんな時代で有ったのかを
作品を通し、私に語ってくれる。
特に、この『てろてろ』は、野坂昭如の真骨頂であると思う。
野坂昭如は好きな作家の一人である。
この本は、新潮社より1971年に刊行された。
装丁は池田満寿夫である。