絵のある文芸マガジン 『鳩よ!特集 万有博士 澁澤龍彦』30冊目

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今回は、今となっては休刊となった、絵のある文芸(雑誌)
『鳩よ!』を紹介する。
 
 *昨今、文学は衰退したが、決して消滅まではしていない。
  文学は形こそ違えども、記録媒体を変え、
  未来永劫、人間と共に生き続ける事だろう。
  しかし価値観の多様化、娯楽や趣味の多様化により、
  以前よりは縮小を余儀なくされている事は明白な事実である。
  しかし、それであっても、人間を記録し、
  また観察し、洞察し、内省するには、文学と呼ばれる、
  芸術活動しか存在し得ないのであるから、人が滅亡する時まで、
  日記であれ、またドキュメントであれ、執筆形態は変貌しても
  存在し続けることは間違いない。

この『鳩よ!』は良い雑誌ではあったが、
やはり、今の様な文学が衰退した時代には
順応出来ないとみえ、とうとう休刊となってしまった。
これも時代の流れであろう。

この号の特集は、今なおファンが多い澁澤龍彦の特集である。
表紙は澁澤の写真であるが、この写真は余り見る事は無い様に思う。
(雑誌を見たら、表紙写真澁澤龍子提供とある)
内容は「死とエロティシズム」と題された、野坂昭如澁澤龍彦との対談。
自作年賦。書斎の写真。サド裁判について。
澁澤龍子が語る澁澤龍彦の思い出等々

1992年3月マガジンハウスから発売。