サド著 澁澤龍彦訳『ジェローム神父』122冊目(2003 平凡社)

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澁澤龍彦ホラー・ドラコニア
少女小説集成(全5巻)第1弾
誘拐、陵辱、殺戮そして食人。
犯罪小説サド、衝撃の復活!
(本書帯より抜粋)

今回、紹介するのは、2003年に平凡社から、
ホラー・ドラコニア少女小説集成【壱】として刊行された、
サド著 澁澤龍彦訳『ジェローム神父』を紹介する。

本書は黒地に金文字で華麗な帯が付いており、
また表紙等の挿絵には会田誠を起用している。
大変、美しい本で、私は平凡社の快挙だと思う。
サド作品にぴったりの会田誠の描く絵は妖しく、そして残酷である。
一枚目の写真は表紙
二枚目は、本書中の挿絵だが、これでも本書では大人しい部類の挿絵である。
挿絵は食人をイメージされるものが大半であり、
これをよく出版したものだと感心する。
以前ならば、間違いなく発禁であろう。
近年の日本の挿絵本、
または澁澤本の中でも屈指の出来栄えで有り、
正に挿絵本の傑作だと思う。
買っておいて損は絶対しない本である。
限定本ではなく、商業出版で
ここまでのものを作りあげた事に賛辞を呈したい。