#小説

SF『フロム・タイム・トゥ・タイム 時の旅人』

過去のある場所にいると思い込む ことによって時間旅行を行う 能力を持つサイモン。 彼の使命は、アメリカ大統領の 命を受けてヨーロッパへと向かった まま、行方不明になっている 「Z」とう男の正体を探り出す ことだった。Zはタイタニック号に 乗船してい…

作家 西村寿行の死 (221~226冊目)

2007年8月23日、作家の西村寿行(76歳)が 肝不全の為、死去というニュースを聞いたのは、 2007年8月26日の事である。 西村寿行は、男の欲望の体現化に成功した作家だと思う。 西村寿行の作品との出会いは、 私が多感な思春期であった、15~17歳頃である。 …

探偵小説古書 大下宇陀児著『探偵小説 殺人技師』220冊目

今回は、大下宇陀児著『探偵小説 殺人技師』を紹介する。 春秋社から昭和10年8月15日発行。 価格壱円六拾銭。装丁は吉田貫三郎。

おすすめの本 南條 範夫著『牢獄 』216冊目

異例の大昇進を遂げたその日に、 厳徳珉は突然投獄されてしまう。 明の初め、魔性の皇帝太祖治下では、 怖るべき政治と粛清が繰り返されていた。 才学抜群の厳は、大官の誇りにかけて 無実を弁明しようとするが、 待ちうけていたのは洗脳という、 傷ましい人…

昭和二十年代古書 小栗虫太郎著『紅殻駱駝の秘密』215冊目

今回は、小栗虫太郎著『紅殻駱駝の秘密』を紹介する。 講談社より昭和二十三年十月刊行。定価120円 ご存知、仙花紙を使った粗末な造りの本である。 装丁・挿絵は嶺田 弘。 嶺田は当時沢山の挿絵や装丁の仕事をしている。

古書 黒岩涙香著『決闘』210冊目

今回は、黒岩涙岩著『決闘』紹介する。 と言っても明治期に刊行されたものではなく、 昭和17年6月に大川屋書店より刊行されたものである。 定価金八十銭。 このように戦前まで涙香本は、比較的よく刊行されていた。

古書 大下宇陀児著『探偵小説 ホテル紅館』209冊目

今回は、大下宇陀児著『探偵小説 ホテル紅館』を紹介する。 熊谷書房から、まだ太平洋戦争勃発前の昭和16年8月5日再版。 価格1円。装丁は画家の高井貞二

古書 ハルボウ著 秦豊吉訳『メトロポリス』208冊目

今回は、ハルボウ著 秦豊吉訳『メトロポリス』を紹介する。 世界大衆文学全集第十五巻として改造社から昭和3年11月刊行。 昭和初期に流行した円本の一冊である。 1924年に書かれた、この作品を原作とし、 映画「メトロポリス」がドイツで制作され、1927年に…

古書 若松しづ子訳『小公子』205冊目

今回は、若松しづ子訳バルネット夫人(バーネット)著『小公子』を紹介する。 私が架蔵しているものは大正七(1918)年八月三十版発行のもの。 (初版は明治三十年一月) 現在でも少年少女向けの読み物として名高い作品である。 なお、「小公子」は1988年に…

古書 大江健三郎著 『万延元年のフットボール』(1967)188冊目

大江健三郎の全世界を示し、登場10年 その文学のピークをなす最大の問題作 (本書帯宣伝文より抜粋) 今回は、大江健三郎著 『万延元年のフットボール』を紹介する。 本書は講談社から1967年9月に刊行された。 雑誌「群像」に連載されていたものを訂正し、出…

SF ハインライン著『自由未来』 (早川文庫 1983)186冊目

突如、第三次世界大戦が勃発した! のどかで平和な夜をすごしていたファーナム一家は シェルターに避難したが、一瞬後近くで水爆が炸裂し、 シェルターは荒波にもまれる船のように激しく揺れた。 かろうじて生き延びた一家がシェルターから出て目にしたのは…

SF エイミー・トムソン著『ヴァーチャル・ガール』 185冊目

金色がかった栗色の髪に、 左右色違いの大きな瞳が印象的な美少女マギー。 彼女はコンピュータの天才アーノルドが 自らの伴侶にしようと作りあげたロボットだった。 人間と変わらぬ優しい心を持つマギーだが、 人工知能の開発が禁じられている 今、正体がば…

破滅SF ジョン・ウインダム著『トリフィドの日』176冊目

それは文字通り、雨と降る流星雨だった。 新聞もラジオも天界のスペクタルと騒ぎ立てた。 流星雨は24時間続いた。 その夜、幼児、重傷者を除く全世界の人が仰ぎ見た・・・。 そしてあくる日、全人類は完全に視力を失った盲目の群となっていた! 人々は絶望し…

SF ウィルソン・タッカー著『静かな太陽の年』175冊目

一仕事了えてフロリダの浜辺に憩う 人口統計学者ブライアン・チェイニイは、 基準局から来たという脚線美の美人の訪問を受ける。 新しい実験計画にぜひとも参加してもらいたいというのだ。 計画の内容は、時間旅行。タイム・マシンを使って未来の社会状況を …

SF 『死霊たちの宴』 (1998 創元推理文庫)170~171冊目

一九六九年、新たな恐怖が世界を襲った。 ゾンビ映画の傑作にしてジョージ・A・ロメロ監督デビュー作 『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』公開の年・・ このカルト・ホラーに魅せられた作家たちによる オリジナル・アンソロジー上巻には、 終末の世での…

SF マシスン著『ある日どこかで』(創元推理文庫)168冊目

脳腫瘍であと半年足らずの命と診断された脚本家リチャードは、 旅の途中、サンディエゴのホテル・デル・コロナードでひとりの女性を目にする。 女優エリーズ・マッケナ。1896年の色あせたポートレイトからほほえみかける彼女に 会おうと、彼は時間旅行を試み…

古書 宮崎三昧著『かつら姫』(1890 春陽堂)166冊目

今回は、宮崎三昧著『かつら姫』(1890 春陽堂)を紹介する。 以前、本ブログで饗庭篁村の勝鬨を紹介した。 それと同じ、新作十二番之内の一冊である。 和紙、和綴、本文木版、挿絵木版で、 大変美しい和本である。口絵は富岡永洗。

破滅SF エドマンド・クーパー著『太陽自殺』(ハヤカワ書房)165冊目

その夏はすがすがしい快適な日が続いた。 自殺者数が年平均の5倍にはね上がった。 異様な天候異変と自殺者の激増には明らかな関連があった。 しかし、それはイギリスだけの現象ではなく、世界各地で起こった。 太陽に新種の黒点が現れ、それが未知の太陽光…

古書 野澤富美子著『煉瓦女工』(1940 第一公論社)161冊目

今回は、プロレタリア文学、 野澤富美子著『煉瓦女工』(1940 第一公論社)を紹介。 昭和15年5月に刊行されたが、売れに売れたとみえ、 私が所持しているのは、昭和15年8月25日250版。 野澤富美子の短編集である。

古書 モルナアル著 『笛吹く天使』(1938 野田書房)147冊目

今回はモルナアル著 鈴木善太郎訳『笛吹く天使』を紹介する。 初版1500部特製本。野田書房らしいキチンとした造りの本。

発禁本 ケッセル著 堀口大学訳『昼顔』145冊目

今回は ケッセル著 堀口大学訳『昼顔』を紹介する。 本書は発禁本である。瀟洒なフランス装。 (1932年第一書房より刊行)

古書 ジイド著『女の学校・ロベエル』144冊目

『女の学校』は日記体の小説で,前篇には婚約期の楽しい日々が, 後篇では結婚二十年後の夫に対する批判が記されている. はじめ申し分なく思えた夫も今では偽善と虚栄の化身となっている. それは夫が変ったのではなく妻の女性としての眼が開けたのである.…

古書 アナトオル・フランス著『エピキュルの園』138冊目

今回はアナトオル・フランス著 草野貞之訳 『エピキュルの園』 (1929 第一書房)を紹介する。 本書は初版限定1500部である。 なかなか凝った作りで、背クロスマーブル装。

三島由紀夫原作 映画版『憂国』120冊目 (1966 新潮社)

今回は三島由紀夫原作 映画版『憂国』(1966)を紹介する。 先日、この映画のオリジナルフィルムが 発見されたという報はまだ記憶に新しい。

古書 細田民樹著『赤い曙』(1930 春秋社)119冊目

今回は、細田民樹著『赤い曙』を紹介する。 この本は昭和5年5月13日の再版本。 (初版は昭和5年5月12日) 装丁は画家の福田新生。 いかにも昭和初期の装丁である。

古書 ジイド著 堀口大学訳 『一粒の麦』(1933)117冊目

今回、紹介するのは、ジイド(Andre Gide) 著 堀口大学訳 『一粒の麦(Si Le Grain Ne Meurt)』(上巻)である。 長谷川巳之吉の第一書房より昭和8年9月20日に刊行された。 初版1200部である。総革装天金。 ちなみに上巻のみの刊行である。下巻は存在せず。

古書 金子ふみ子著『何が私をかうさせたか』(1931)112冊目

今回は金子ふみ子著『何が私をかうさせたか』を紹介する。 金子ふみ子は、朝鮮人朴烈と共に大逆事件を企て、 獄中で自死した、アナーキスト。 この本は獄中で書かれた自伝である。 (本書は春秋社より昭和六年七月十五日刊行の十版)

古書 コクトオ著 東郷青児訳 『恐るべき子供たち』85冊目

今回、紹介するのは、コクトオ著 『恐るべき子供たち』(Les Enfants Terribles)である。 この本は、仮綴で、白水社から昭和9年に刊行された。 訳者・装丁は東郷青児。(彼は売れない時期には装丁も手掛けた)

古書 貴司山治著 『ゴー・ストップ(改訂版)』 (1930)77冊目

今回は、貴司山治著 『ゴー・ストップ(改訂版)』 を紹介する。 プロレタリア大衆小説の『ゴー・ストップ』は、 元々は昭和五年四月一日に中央公論社より刊行されたが、 四月四日に官憲より発禁になった。 この本は改訂版で四月二十五日に刊行されている。 …

8月16日 古書 黒岩涙香著(翻案)『幽霊塔』72冊目

今回、紹介するのは、黒岩涙香著(翻案)『幽霊塔』である。 C.N.Williamsonの「灰色の女(Woman in Grey)」の翻案。 この本はオリジナルではなく、扶桑堂より刊行された、 大正五年十一版の縮刷本である。 確か、これを買ったのは私が小学6年の頃、12歳の頃…