おすすめの本 南條 範夫著『牢獄 』216冊目

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異例の大昇進を遂げたその日に、
厳徳珉は突然投獄されてしまう。
明の初め、魔性の皇帝太祖治下では、
怖るべき政治と粛清が繰り返されていた。
才学抜群の厳は、大官の誇りにかけて
無実を弁明しようとするが、
待ちうけていたのは洗脳という、
傷ましい人間性の破壊であった…。
凄絶な傑作、中国歴史長編。
(本書紹介文より抜粋)

今回は、南條 範夫著『牢獄 』を紹介する。
講談社文庫より1991年に刊行。
中国の歴史は粛清の歴史とも言える。
また、中国という国は世界に類を見ない、洗脳と拷問、
処刑が高度に発達した国でもある。
そんな中国を舞台にした人間ドラマであるが、
不条理なドラマでもある。
このような事が実際に昔の中国で行われていたのかと
思うと背筋が凍る思いである。
これは本当に衝撃的であり、薦めたい作品の一つである。
特に物語の最後の描写が悲惨に拍車をかけている。