洋古書『マガザン・デ・ドモワゼル(お嬢様のお店)』Ⅱ

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上流階級やブルジョア達は、子息、令嬢には最高の教育をする。
これらの御令嬢は「(1)本当の意味のお嬢様」であって、
教育も最高の教育を受けている。
礼儀、教養、立ち振る舞い、ダンス、言葉使い等社交界で通用する様に、
それに良い縁談が出来るように躾けられている。
貧乏貴族は(爵位は無いが)金持ちのブルジョアとの縁談を望み、
ブルジョア爵位を持っていないからこそ、爵位を持った(貧乏)貴族を狙う・・・。
お互いの利益が一致しているわけだ。
ブルジョアや貴族はこうやって既得権や財産を持続させる。
いくら貴族でも金が無ければ、家の存続も出来ない。
ブルジョアブルジョアで、金は有るけど、名誉も権力もない、
だから爵位が欲しい。金と爵位があれば、無敵である。
(それはどこの国でもどんな時代でも同じ)
令嬢のお友達は、同じ階層の令嬢である。
そんな同じような階層の令嬢達が、このような雑誌に載っている話題、
それは社交界の噂だったり、文学やオペラの話だったり、
或いは舞踏会で見つけた貴族やブルジョアの青年の話
(今で言えばコイバナ)を自宅のサロンで(自分専属の)
メイドに持ってこさせた紅茶やコーヒーを飲み、談笑する。
この当時、上流階級やブルジョアのみならず、
中産階級以上の家庭でも、当然メイドを雇っていた。
日本人が言う、(或いは思いこんでいる)中産階級とは根本から異なる。

なお、日本でもこの様なファッション・プレートが
古書店やアンティークショップ、版画ショップ等で(勿論日本価格で)売られているが、
表記や説明に間違いが見られ、また画家の名さえも記していないものが
多々見受けられる。プロならば、その辺をちゃんと表記して欲しい。
ただの趣味、ただの素人ならまだしも、それによって、
対価を得、生業を成すプロならば、その辺をしっかりして欲しい。
初版表記だけにうつつをぬかすのでは無く、
基本的な情報をきちんと表記すべきである。
欧米では、日本よりは、大体の場合において、その辺はきちんとしている。
あと思うのは、洋古書を扱う、日本の古書店の話だが、
フランスの古書の詳細を記すのに、英語でわざわざ表記する店が多い。
(もしかして購入した時の書誌の丸写しか)
フランスの古書説明に、日本語でも無く、フランス語でも無く
三者言語の英語で、わざわざ書くならば、
フランス語の表記か、そのまま、いさぎよく日本語で記して欲しい。
英語圏の人間はわざわざ日本で(それも日本価格では)買わないと思うが)
(昔、我が父は首相になる人物をこの様に評した事がある・・・。
出来て当たり前、出来ないから叩かれる。だから誰も首相をやりたがらない)

首相と言えば、最近、麻生が叩かれているが、私は何とも思わない。
彼がカップラーメンの値段を知らなくて当たり前だし、
ホテルのバー等で散財しても当たり前、何故ならば彼は庶民ではない。
これを豪遊と表する者がいるが、彼は庶民とは収入も、また経済基盤も
レベルが違うので、彼レベルの者にとっては豪遊ですらない。
日本で通常の自動販売機で缶コーヒーを買えば120円である。
普通120円は大金とは思わない。
しかし世界の国々の中では日給120円以下の労働者は珍しく無い存在だ。
彼を庶民と同一の目で見るから(麻生財閥の一員である)麻生を叩くのだろう。
彼は政治をやっていればいいのであって、
その政治にはカップラーメンの価格の知識はなんざ必要無いし、重要な事では無い。
漢字の知識が無くとも、別に彼が知らなくとも、彼は誰かに命じやらせれば、
それで済むことである。それは帝王学を学んだ者には当然の事である。
麻生のみならず、エリートや資本家、お大尽を祖に持つ、
世襲議員達は一般市民でも庶民でも決して無い。
彼らはブルジョアであり、上流階級の人間だ。
そういう人間に庶民の感覚を求め、同一して語る事こそ滑稽である。
(彼らには、彼らの流儀、処世術があり、それらは庶民と同一では無い)
その癖、華族や皇族に対しては、庶民と同一視しない。
しかし彼らを(ブルジョア・上流階級の人間を)何らかの区別するならば
華族や皇族と同じカテゴリーに属する存在である。

(上から)
結婚式の支度場面。
現在でもこの時代の名残りが一番顕著に残っているのは、
ウエディングドレスではないだろうか。

サロンでのお友達との談笑場面。

「REBUS」という判じ物

最後の絵画は同時代を描いたもの。
Franz Xaver Winterhalter画
「L’imperatrice Eugenie entouree de ses dames d’honneur(1855)」
女官達に囲まれる皇后ウージェニーを描いている。
Franz Xaver Winterhalterは貴婦人の肖像を数多く描いている。

(1)何故、「本当の意味のお嬢様」と書いたかは、
マスコミ等が持て囃す、お嬢様とは根底から異なるからだ。
20年程前に日本で「お嬢様ブーム」等と言う滑稽な現象が起きたが、
マスコミが、或いは多くの日本人が思う様な、
お嬢様と(本書の)読者層とは全く別物である。
(「女性の品格」なる、滑稽かつ変な本がベストセラーになってしまう日本って・・・)
タダの石をどんなに磨いてもダイヤにはならない。0をいくら足しても所詮は0。
それにしても、あんな妙な、ベストセラー本は一体誰が買っているんだろう。
あんな本を買ったり、読んだりなんて、罰ゲームレベルだろう。