誰が猫の首に鈴をつけるのか? 映画『ワルキューレ』

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アメリカ映画。2008年制作。120分。
違和感を覚えたのは、アメリカ映画に特有の、ドイツ人でありながら
英語を話す事。やはり、ヒトラーもドイツ軍人もドイツ人という者は
ドイツ語を話すと言う事が当たり前に脳内に刷り込まれているので、
どうしても違和感を感じてしまう。
世界でもっとも英語の他の言語に一切の興味も関心も無い、アメリカ人は
そういった違和感を感じないのか?漠然とした、疑問を持った。
毎年、こういったヒトラー物、第二次世界大戦物が作られている。
もう、既に70年近く前の出来事なのに。
今、戦争を体験し、従軍した兵士の中で生き残っているのは、
戦争当時、何もわからない新兵が多い。
(ベテランや古兵は既に死んでしまっている)
先日の7月13日ドイツ検察当局は、ユダヤ人らの殺害に関与したとして、
元看守のジョン・デミャニューク容疑者(89)を起訴したが、
今ではヨボヨボの爺様で、いつお迎えに来ても可笑しくない、
89歳の老人を起訴してどうなるのだろう。
ユダヤ活動監視団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は、
生存しているナチス関係者の中で最重要容疑者に指定していると言うが、
大物は全て捕まって処刑されたか、自然死していまい、
今、捕まえることが可能なのは、小物しかいないのだろう。
殺害の関与の疑いといっても、終戦時たかだか25歳の若造には
たいした権限も無いだろう。

ヒトラーは過大評価されている様に感じてしまう。
ヒトラー一人を暗殺しても、そう簡単に何もかも覆るのだろうか?
ヒトラー一人で戦争をしている訳でもないのに。
肥大しすぎた組織は既に個人一人だけではコントロール出来ない。
計画は本当に無謀に思える。失敗する要素が有りすぎる。
シュタウフェンベルク大佐本人は覚悟していただろうが、
巻き込まれた人はたまったもんじゃないなと感じた。
暗殺が失敗したら、関係者は有無を言わさずに当然処刑されるのであるから。
ヒトラーは似ていない。もっと似ている役者、
例えば、「ヒトラー ~最期の12日間~ 」のブルーノ・ガンツを使って欲しかった。
ドイツが戦争に負け、ナチスドイツは完全に崩壊したが、
今なお、ナチスの亡霊とも言うべき、ネオナチズムが台頭し、
世界各地でネオナチが誕生している。
ナチズムの根本にあるものは差別であり、差別化であり、区別化である。
それは優劣であり、他者の比較によって行われる。