2009-07-01から1日間の記事一覧

洋古書 エルアールの代表作『エプタメロン』Ⅵ

日本において、エルテやイカール(或いはローランサン等)は 他国では考えられないほど異常に人気がある。 これは疑問なのだが、日本には(他国と比較し)突出して それらのファンが相当多いようだが、そのファンは、 雑誌「ラ・ヴィ・パリジェンヌ」誌上で…

洋古書 エルアールの代表作『エプタメロン』Ⅴ

ジャコメ工房のPochoirは日本人には馴染みが無いと言っても 過言ではないが、フランスのアールデコ期の挿絵本には ジャコメ工房のPochoirがよく使われている。 (判りやすい事例を挙げれば、例えばマルティ等) ムルロー工房は、誰でも知っている。 このムル…

洋古書 エルアールの代表作『エプタメロン』Ⅳ

本書の挿絵はPochoirだと思われる。 ダニエル・ジャコメによる、ジャコメ工房によって、本書の挿絵は制作された。 ジャコメ工房のPochoirは、ダニエル・ジャコメ独特の創意工夫がなされており、 ジャコメ工房のPochoirの完成度はIMPRIMEUR D'ARTと言わしめる…

洋古書 エルアールの代表作『エプタメロン』Ⅲ

本書の印刷はパリから程近い、アルジャントゥイユにある、 Robert Coulouma印刷所で行われた。 Robert Coulouma印刷所は第一次大戦頃から第二次大戦頃にかけて 数々の有名な挿絵本が印刷されたところである。 (歴史に残るほど高名な印刷所である) 例えば、…

洋古書 エルアールの代表作『エプタメロン』Ⅱ

本書は、総発行数1550部の内、 アルシェ紙に刷られた限定150部の内の一冊。 この限定150部はカラー以外に、セピア色と青色の2種のsuite付。 ("本書の限定150部、それに限定40部の局紙"のものなどは、 なかなか市場に出る事は無い。極めて稀。稀覯本) 箱ま…

洋古書 エルアールの代表作『エプタメロン』Ⅰ

今回は、アールデコ期にフランスで活躍した、 挿絵画家シェリ・エルアールの代表作であり、 最高傑作であり(Pochoir技法の挿絵をふんだんに使った) 最大の挿絵本である、マルグリット・ド・ナヴァル著『エプタメロン』を紹介する。 (本書は私のお気に入り…