読書「宇江佐真理著 通りゃんせ」

2013年12月角川文庫
792円

目覚めたら、そこは江戸時代だった。
時間を超えた感動の長編時代小説!
25歳のサラリーマン・大森連は小仏峠の滝で気を失い、
天明6年の武蔵国青畑村にタイムスリップ。
驚きつつも懸命に生き抜こうとする連と村人たちを
飢饉が襲い……時代を超えた感動の歴史長編!
(本書紹介文より抜粋)

まったく期待しないで読んでみた。
都合が良すぎる展開。主人公は現代へ帰る気満々なので
現地の娘と結婚する気はなく、拒否された娘が首吊りを
したわけだが、主人公の男も娘が好きなら結婚すれば
いいのにとは思った。江戸時代の描写には違和感があり、
吉村昭が描写すればまた違うのにとは思った。
便所の描写に当時の排便後の処理の説明が欲しかった。
(現代ではトイレットペーパー)その説明に限らず
いろいろと説明がないのが物足りなく感じた。
普段はSFなんて書きませんよ、みたいな作家がたどる
見本みたいな作品。これじゃない感がかなりある。
やはり期待しない通りに、予想通りの描写、展開。
ただ江戸を舞台にしてなく、農村を舞台にしたのはいいし
また歴史に残る有名人と都合よく絡ませないのは良かった。
(織田信長なんてもう未来人と50人を越えるほど会ってるだろう)