平山夢明の衝撃と破壊力
2017年6月21日第8刷
鬼才が紡ぐ悪夢と狂気の世界
交通事故にあった家族にふりかかる
無関心という恐怖。孤独に生きる老婆を
襲う悲劇など、理解不能な他人たちに
囲まれているという日常的不安が
生み出す数々の悪夢を描く14編。
(解説/冨樫義博)
(本書紹介文より抜粋)
新堂冬樹を粗方読んでしまい、次は何を読もうと思い
検索した結果、平山夢明の短編集である、
本書を読むことにした。
この本も出版出来たなというレベル。
短編集で14編収められている。
「他人事」は車事故の話だが、このラストは予想してなかった。
「倅解体」のラストも予想外だった。
「たったひとくちで……」この短編のラストは予想出来た。
「おふくろと歯車」読んでいくうちになんか違和感があった。
あんなにボコボコにされて生きているわけがない、
死んでいるんじゃ?ゾンビ化してんのかなと思っていたら、
その通りだった。
「仔猫と天然ガス」映画ファニーゲームみたいなノリ。
シズエは身体障害者の40歳半ばの女だが、突然訪問してきた
2人の青年にプロレスがしたいと言われ、彼女が一方的な暴力
で破壊されていく短編。ウクライナ21を思い出した。
「伝書猫」このラストは予想してなかった。
「人間失格」この短編のラストも予想外だった。
よくある感動する話系かなと思ってしまったが、そうじゃない。
心が温まる話かと思ったら、悪意しかない話。極限の悪意。
平山夢明の小説の破壊力はすごい。
大石圭や新堂冬樹の小説とはまだ違った破壊力がある。
本当にすごい話を書くものだと感心する。
外国の作家にも平山夢明や大石圭や新堂冬樹の小説みたいな
作品を書く作家はいるのだろうか。