読書 黒武洋著「パンドラの火花」(新潮文庫)

2008/1/29
461ページ

死刑執行を控えた男に、最後通牒が宣告された。
「期限内に、過去の自分と対面し、
犯行を思いとどまるよう説得せよ。
成功すれば釈放、失敗なら、死―」
絶望と孤独に苛立っていた16歳の自分。
家族全員を殺戮した男は、時空を超え、
その全てを知る自分に今、対峙する!天外なる奇想、
予測不能の結末。戦慄と感動に魂が震える傑作巨編誕生。
(本書紹介文より抜粋)

過去の若い自分を説得するとかの発想が独特で
面白いし極めて個性的な小説。
ただ最後の方のクローンに自我が芽生えたり
カイザー云々は蛇足に思え、これはまさに
予測不能だった。
本書は黒武洋の他の小説と関連があるようだが、
この最後のカイザー云々とかは要らなく感じた。
発想は素晴らしいので工夫すればもっといい作品に
成り得た小説。