読書 「近代フランスの事件簿」

フランスでは犯罪者や娼婦でもフランス語を流暢に話す

近代フランスの事件簿―犯罪・文学・社会
小倉孝誠著
2000/9/1
淡交社

ヒ素による夫殺し(ラファルジュ事件)の裁判は、
毒物鑑定をめぐって混迷し、真相が謎のまま
美貌の妻マリーに有罪の判決がくだった。
終身刑に処せられたマリーは、
特赦で釈放された直後に世を去るが、
事件の物語性は、新聞の三面記事を
賑わしただけでなく、文学界をも刺激し、
無名時代のゾラによって『テレーズ・ラカン』が
生まれる。このほか、上流階級のスキャンダル
(フララン事件)と『ボヴァリー夫人』、
一家八人を手にかけた若き殺人鬼(トロップマン事件)
大衆紙『プチ・ジュルナル』の人気、
暗躍するアパッシュと怪盗小説のヒーロー、
アルセーヌ・ルパンの登場など、
実在の事件と文学・ジャーナリズムの密接で
危険な関係を、当時の裁判記録や担当刑事の回想録、
新聞記事や文学作品を通して明らかにする。
犯罪は文学を刺激し、虚実錯綜した創作の世界が、
またさらなる犯罪を挑発する。
現代社会にオーバーラップする問題を、
詳細な資料と知的推理で読み解く話題の一冊。
(本書紹介文より抜粋)

ざっと目を通してみた。なかなかの快著。
ガボリオやロンブローゾなどまだ私は子供の頃
若い時に知った人物が出てくる。
近代フランスの犯罪に関し書かれた論述。
もっと図版が多くても良いのにとは思った。
以前本ブログで取り上げた事がある、アパッシュに
ついても本書では書かれている。
フランスについては21世紀になり、自分なりに
調べてきてからというもの、フランスのパリは
世界有数の犯罪都市だと知った。
またバランスが取れた国家でもある。
フランスは世界に大きな影響を与えてきた。
フランス語、文学、新聞、雑誌、製本、装丁、美術、
芸術、服飾、ファッション、軍事、工業、医学、
放射線工学、原子力工学、写真、映画、料理、製菓、
ワイン、アブサン、娼婦、娼館・・・。
挙げていけばきりがない。そして犯罪や犯罪捜査までも。