エロチカ 「Fの性愛学 口でする」

二匹の精子が出会った
卵子までまだ遠いかい?」
「まだ何時間もかかるよ。
扁桃腺までしか来てないんだから」

Fの性愛学 口でする
ティエリー・ルゲー著
吉田春美訳
原書房
2000/10

本書は、1998年12月20日
「ジュルナル・デュ・ディマンシュ」誌に
掲載された文芸評論家ベルナール・ピヴォーの
論説に、“フェラチオに関する総合的な本を
出そうと考える出版社がいないのは残念だ”
と書かれていたことがきっかけとなって誕生した

させられてるわけじゃなく、してたのかも。
させてるつもりがやられてたのかも。
カーマスートラからデュラスまで、
フェラチオをめぐる人類のあきれた情熱を、
歴史、テクニック、文学、心理学ほか、
あらゆる面から大研究。愛の秘密をのぞいてみれば、
今日からもっと気持ちよくなる。
(本書紹介文より抜粋)

日本では古来から尺八と呼ばれるが、
フランス語でフェラチオはfellationと言い、
隠語ではPipe(s)と呼ばれるのを記憶している。
本書はいろんな角度からフェラチオを論じた
真面目な本である。
そういえばまだ高校生だった頃に読んだ「BEAT」
という雑誌(大人の雑誌)にこんな文章が書かれていた。
1970年代の頃、ブスと付き合っている男がおり、
何故、そんなブス女と付き合っているのか?と聞いたら
彼女はフェラチオをしてくれる女だからというような
文章が記載されていたことをいまだに記憶している。
まだ1970年代の日本はフェラチオを一般的な行為では
なかったのだろうと推測が出来る。
人にはよるとは思うが、1980年代はフェラチオが一般に
普及し始めた黎明期だと思う。つまり今までの性行為とは
ただ挿入だけだったが、この頃から挿入以外のフェラチオ
クンニングス、69などがが一般の性生活まで普及し始めた
過渡期とも言える時期だと思う。

本書にもFrance Gallが歌った下記の歌の記述がある。
この歌のエピソードは有名な話。

France Gall - Les sucettes (1966)
(記事投稿時には視聴可能)
https://youtu.be/q-iysdFu_TQ?si=770egAiBj3yrZ_Kb

France Gall "Les sucettes" | Archive INA
(記事投稿時には視聴可能)
https://youtu.be/-6VLhNF6zRE?si=fLuFLaqMgonmsz4R

wikiによれば、この曲はこのように「アニーとボンボン」
の項に書かれている。
「アニス風味のペロペロキャンディが大好きな少女を
題材としたイェイェである本楽曲は様々な言葉遊びを
含んでいることで知られており、例えば、少女の名前
であるアニーはアニスとの言葉遊びである」

「この楽曲は2つの解釈で知られている。
sucette(スュセット)という語は棒状の
ペロペロキャンディを意味すると同時に
フェラチオの隠語でもあり、
フランスでありながらペニー硬貨が登場し、
これはペニスを暗示している。
溶けたキャンディがアニーの喉を降りて
彼女が幸せな気分になる箇所は精飲を暗示している」

「当時、若年のアイドルであったギャルはこの隠された
意味に気付かず無邪気にロリポップを嘗める姿で
プロモーション・ビデオ(PV)に登場していた。
それにはギャルの後ろでロリポップ・キャンディの
着ぐるみを被った数人の人物が共演しているが、
彼らの着ぐるみもギャルが手にしたキャンディも
両者共に男性器を彷彿させるような形状であることが
確認できる」

「歌詞の意味を知ったギャルはひどくショックを受け、
誰にも顔向けできないとしてしばらく引きこもってしまった」