読書 平尾正治著「ソロモン軍医戦記」

ソロモン軍医戦記 
医大尉が見た海軍陸戦隊の死闘
2007年6月15日発行
光人社NF文庫

二年現役軍医科士官、通称“雇われ軍医”
としてソロモンの島々を転戦した医師が
見た苛烈なる戦場の実態―南方の瘴癘の地で
飢餓と伝染病という過酷なる状況に直面した
日本軍将兵はいかに生き抜き、また斃れていったのか。
物資欠乏し敵軍迫るなか、強固な意志をもって
医療任務に従事した海軍軍医が綴る最前線の真実。
(本書紹介文より抜粋)

本書は海軍軍医大尉が体験した、ソロモン諸島の戦いを
記録した本であるが、やはり連合軍との戦闘らしき戦闘は
出てこず、記録の殆どがマラリアと食物不足による飢餓、
それに食料確保の苦労などの話が主になっている。
著者は海軍軍医の士官であるから、上官によるしごきは
経験せず、上官との軋轢も殆ど書かれていない。
著者は海軍士官なので色んな部署に顔が効き、要領がいい為に
医療品や食料にもそこまで苦しむこともなく戦後を迎えている。
ただ俘虜後の収容所でオーストラリア軍の嫌がらせに
関しての記述がある。