読書「新堂冬樹著 闇の貴族(講談社文庫)」

2004/3/25 第6刷発行
584ページ

これが正真正銘の「闇金融」と「裏会社」
闇世界の支配者となるべく策を巡らせ金と暴力で
敵を食い尽くして、のし上がっていく加賀篤。
だが大金と権力を手中に収めたとき、
すでに悲劇と崩壊は始まっていた。
この世界を支配する真の貴族とは誰だ!?
金融と裏会社の修羅を生き抜いた著者ならではの
リアリティ、これぞ正真正銘の傑作ピカレスク・ロマン。
(本書紹介文より抜粋)

新堂冬樹が書くキャラ造詣、生い立ちはテンプレで
新鮮味がないなと感じてしまう。
インテリヤクザにしてもテンプレだし。
生い立ちが貧困だから金を最重要するのだが、
もしキャラが貧困ではない、生い立ちであり、
逆に裕福で金に困ったこともないとか、
常に本ばかり読んでいるとか活字中毒みたいなキャラは
いないのだろうか?
妙子は加賀の妹なわけがないと思っていた。
新堂作品のキャラは1円の金の為ですら嘘をつくような
キャラだし、息を吸うように心臓を動かすように
利益獲得のために常時嘘をつくわけだし。
柴崎が犬にナニをされてしまうとか、これは西村寿行でさえ
書いてないことだし、初めての読む描写。
女と犬なら西村寿行が書いていたことだ。
本書には世界規模の暗殺育成組織が登場するし、
大藪春彦を思い出させた。大物政治家がSMプレイとか
をそこらの店でするのかな?
そういうのは個人で好みの女を愛人契約してやるものじゃないの?
(架空の小説だし、そんな描写や設定につっこんでもしょうが
ないのは理解している)
新堂冬樹には大藪春彦の「非情の女豹」みたいなものを
書いて欲しい。既に「制裁女」を書いているけど評価は
良くはないし、新堂のいつもの定番のテンプレのキャラ設定を
男から女にしたようなものを書いて欲しいし、読んでみたい。
(本書の表紙は昭和時代の大藪春彦の文庫の表紙絵を彷彿させる)