2005-01-01から1年間の記事一覧

好きな映画29 『SAW』 (アメリカ 2004)

老朽化したバスルームで対角線上に倒れていたふたりの男ゴードンとアダム。 その間には自殺死体が。 足を鎖でつながれた男たちに与えられたのは、テープレコーダー、 一発の弾、タバコ2本、着信用携帯電話、2本のノコギリ。 犯人から告げられたメッセージは …

古書 探偵小説『百萬両』(1893)111冊目

今回は、春陽堂が明治26年(1893)に刊行した、 探偵小説『百萬両』を紹介する。 私が所蔵しているのは、 明治26年3月30日刊行の三版である。 著者は、葱山人(匿名)訳となっている。 実際に訳したものかは不明。 当時売れに売れたものである。仮綴菊判。

読書 『読むことの歴史―ヨーロッパ読書史』110冊目

読書 『読むことの歴史―ヨーロッパ読書史』110冊目 ロジェ シャルティエ (編集), グリエルモ カヴァッロ (編集), Roger Chartier (原著), Guglielmo Cavallo (原著), 田村 毅 (翻訳), 月村 辰雄 (翻訳), 浦 一章 (翻訳), 横山 安由美 (翻訳), 片山 英男 (翻…

おすすめの本 吉村 昭著 『深海の使者』(文春文庫)109冊目

第二次大戦当時、途絶状態にあった日本とドイツを結ぶ連絡網をひらくため、 数次にわたって大西洋に進攻した日本の潜水艦の苦闘を描く力作。 (本書紹介文より抜粋) 今回は、吉村 昭著 『深海の使者』(文春文庫)を紹介する。 これも大変な力作であり、著…

(ジャケットだけは無駄に)コワカッコイイ映画28 『バーサーカー』

殺人鬼の腕、人食いの胃袋など 極悪パーツで造られた殺人マシーンが 殺戮を繰り返すスプラッターホラー。 パンクした車を修理するため、助けを探す一家4人。 ようやく見つけた民家の老婆に招かれ入ってみると、 そこには、異形の人間たちが待ち受けていた。 …

エロチカ 沼正三著 『ある夢想家の手帖から』1~3巻106~108冊目

今回は、「家畜人ヤプー」の沼正三著の『ある夢想家の手帖から』を紹介する。 本書は1970~1971年に都市出版社より刊行された。 元々は「奇譚クラブ」に連載。それをまとめたものである。 古今東西のマゾ・サドに関するエッセイ集である。 帯宣伝文には「三…

好きな映画27 『タクシードライバー』(1976 アメリカ)

ニューヨークの夜を走る一人のタクシードライバーを 主人公に、現代都市に潜む狂気と混乱を描き出した傑作。 ベトナム帰りの青年トラヴィス・ビックルは 夜の街をタクシーで流しながら、世界の不浄さに苛立ちを感じていた。 大統領候補の選挙事務所に勤める…

おすすめの本 井上ひさし著 『青葉繁れる』(1973 文藝春秋)104冊目

この長篇は著者の精神的故郷である仙台を舞台に 妄想ばかりしていた少年時代をもつ男の思想的半自叙伝を すべての権威を相対化してしまうパロディ意識で つらぬいた愉快な青春小説。 (著者からの内容紹介より抜粋) 私は作家・戯曲家の井上ひさしが好きであ…

気になる人01 『南方熊楠』(1867~1941)

幼い時から驚くべき記憶力の持ち主で 歩くエンサイクロペディア(百科事典)と称された、 反骨の世界的博物学者。 19才の時に渡米、粘菌の魅力にとりつかれ、 その研究に没頭、サーカス団に入って キューバに渡るなど苦学しながら渡英。 その抜群の語学カと…

写真06 ピンナップの女王 『ベティ・ペイジ』

今回は、1950年代を代表するピンナップ女王である、 『ベティ・ペイジ』を紹介する。 彼女は世界の男を魅了した。 彼女は活躍した時代は、 まだベトナム戦争を知らない世界、 そしてロックがまだ台頭していない時代である。 ベティ・ペイジのサイト http://w…

洋古書08 Bayros作 『Im Garten der Aphrodite』103冊目

今回はFranz von Bayros(バイロス)作『Im Garten der Aphrodite』 (アフロディテの苑)を紹介する。 石版画18葉、それに内容を記したボードが付属している。 限定350部。布装洋帙入。 この作品は私的出版であり、 出版社名、刊行年、刊行地の記載は無い。…

好きな映画26 『真夜中のカーボーイ』(1969 アメリカ)

都会で一旗あげようとやってきたテキサスボーイ。 現実の厳しさに夢砕かれる思いの中で、 彼はラッツォに出会った。 肺病で足も不自由なラッツォは、 フロリダへ行くことを夢見るしがない男だった。 二人の間に悲しくも奇妙な友情が生まれる。 大都会の底辺…

おすすめの本 見沢知廉著『天皇ごっこ』他 99~101冊目

見沢知廉。昭和34年東京生れ。 暴走族に参加、早稲田高時代に 左翼組織に加わり退学。 定時制高校を経て、中央大学法学部除籍。 新右翼に転向してゲリラ活動を行い、 57年には「スパイ」殺害事件で逮捕。 懲役12年の判決で服役中に書いた「天皇ごっこ」が 平…

おすすめの本 リタ・フリードマン著 『美しさという神話』98冊目

「美しさ」「肉体的魅力」というテーマを、さまざまな実例、 多くの文献を取り上げ検証し、女性学・フェミニズムの枠を 超えて注目を集めた画期的論考。 (本書紹介文より抜粋) 第1章 美しき性 第2章 いいルックス、嫌な気分 第3章 小道具と化粧 第4章 …

エロチカ 斉藤夜居著 『大正昭和 艶本資料の探求』(1969)97冊目

艶本・地下本・発禁本の研究、探求の好資料と言える本で 大正から昭和の好色本について解説したものである。 しかし抜けているもの有るが、斉藤夜居の業績が充分評価出来る。 梅原北明と文芸市場社の活動についても、 (充分な量とは言えないが)述べられて…

読書 ロバート・シルヴァーバーグ著『時間線を遡って』(1969)95冊目

時間旅行を企画・実施する時間サーヴィス公社には、 過去を監視し“復旧”することを任務とする時間パトロール隊と、 時間観光客を過去に案内する随伴ガイド部がある。 ガイドの青年ジャッドは数多の性遍歴の後、 ビザンチン帝国で絶世の美女に出会うが・・・…

味が有る写真05 『写真家 Nazif Topcuoglu』

言葉に表現するのは難しいが、 Nazif Topcuogluの撮る写真は味が有って良い。 Nazif Topcuogluのサイト http://www.naziftopcuoglu.com/index.html

古書 黒岩涙香著(翻案)『海底の重罪』94冊目

今回、紹介するのは、黒岩涙香著(翻案)『海底の重罪』である。 タイトルは『海底の重罪』のみだが、他に『法廷の美人』も収録。 『海底の重罪』は、ボアゴベ「潜水夫」の翻案で有り、 『法廷の美人』は、ヒュー・コヌウエイ「暗き日々」の翻案。 本書はオ…

エロチカ 宮本良訳 『おんな色事師』(1929)93冊目

今回は宮本良訳 『おんな色事師』を紹介する。 上製本 本文模様入の2度刷。 枡形の珍しい造本で、装丁は西谷 操。 昭和4年7月に、南柯書院より限定300部 刊行されたが、官憲により発禁。

映画25 サム・ペキンパー監督『ワイルドバンチ』(1969)

1913年の動乱のメキシコ。 パイクをリーダーとする5人のアウトローたちが、 革命派の将軍マパッチから、米政府の輸送列車の襲撃を依頼される。 パイクたちは見事、列車から武器弾薬の強奪に成功するが、 マパッチは約束の金の代わりにパイクたちに襲い…

読書 岸本重陳著 『中流の幻想』(講談社文庫)91冊目

今回、紹介するのは、岸本重陳著 『中流の幻想』である。 この本は1985年に講談社文庫から刊行された。 この本は、日本社会は皆、総中流層という意識を持っているが、 それは幻想で有るという事を提示した本である。 有名な本ではないが、日本において、 高…

映画24 『ロング・エンゲージメント』(2004 フランス)

「アメリ」のジャン・ピエール・ジュネ監督と オドレイ・トトゥが再び組んだ、重厚で純粋な愛の物語。 第一次世界大戦で兵士となり、行方不明となった恋人マネクを、 自らの直感を頼りに探し求める女性マチルドの姿が描かれる。 原作はフランスの著名なミス…

読書 ジョー・ポイヤー著 『ノールカプ岬』(1969)90冊目

今回、紹介するのは、ジョー・ポイヤー著 『ノールカプ岬』である。 日本の創元推理文庫から1987年に刊行された。(初刊行は1969年) 本格的な冒険小説である。 私は冒険小説も好きであり、昔から読んでいる。 この『ノールカプ岬』は超音速偵察機のパイロッ…

おすすめの本 吉田 司 著『下下戦記』(1991 文春文庫)89冊目

「賠償金なんていらないんだ。人並みに恋をして結婚したい」 70年代の日本を揺るがせた水俣病裁判。 だが若き患者たちの本音は世間に黙殺されていた。 安アパートの一室に集って自活して、支援者に振られたり 神戸へと駆落ちしたり…。 十代二十代の患者たち…

エロチカ 『世界の刑罰・性犯・変態の研究(復刻)』88冊目

今回、紹介するのは、『世界の刑罰・性犯・変態の研究(復刻)』である。 この本は、原書は1930年に刊行。その復刻本。 1977年に若宮出版社から刊行された。 古今東西の刑罰・性犯・変態の図版資料が収められている。

読書 堤玲子著 『わが闘争』(1977 角川文庫)86冊目

淫売、博打うち、放火、尊属殺人、びっこの少女たち。 「スラムと悪遺伝の中、七人兄弟姉妹、年頃になって、 見合いの話一つなく、馬鹿にされつづけた」 一家の聖なる悲惨と人間賛歌を謳う。 凄じい迫真力と鮮烈さ、独自の輝きにみちた文体で、 自らの半生を…

絵画20 デュシャン作『1. 水の落下、2.証明用ガス、が与えられたとせよ』

今回はマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)作の 『1. 水の落下、2.証明用ガス、が与えられたとせよ』(遺作)を紹介する。 初めて、この作品を見たとき、衝撃を受けたものである。

ホラー映画の傑作23『ゴーストシップ』(2002 アメリカ)

ジョエル・シルヴァーとロバート・ゼメキスが設立した ホラー専門映画制作会社ダーク・キャッスル・エンタテインメントの 「TATARI」「13ゴースト」に続く第3弾。 40年間行方不明だった豪華客船に調査のため乗り込んだクルーたちに 襲い掛かる恐怖…

古書 コクトオ著 東郷青児訳 『恐るべき子供たち』85冊目

今回、紹介するのは、コクトオ著 『恐るべき子供たち』(Les Enfants Terribles)である。 この本は、仮綴で、白水社から昭和9年に刊行された。 訳者・装丁は東郷青児。(彼は売れない時期には装丁も手掛けた)

気に入った写真04 『写真家 David Byun』

ファッションやコマーシャル・フォトの分野で活躍する、 写真家David Byunの作品である。凄く綺麗で幻想的だと思う。 David Byunのサイト http://www.davidbyun.com/