読書 岸本重陳著 『中流の幻想』(講談社文庫)91冊目

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今回、紹介するのは、岸本重陳著 『中流の幻想』である。
この本は1985年に講談社文庫から刊行された。
この本は、日本社会は皆、総中流層という意識を持っているが、
それは幻想で有るという事を提示した本である。

有名な本ではないが、日本において、
高度成長期後に、階層、階級を論じた本である。
昨今、「勝ち組」「負け組等」と言う変な言葉が巷に登場している。
綺麗な言葉ではない。下品で俗な言葉である。
しかし、その様な言葉を使うまでも無く、
昔も今も歴然と、階層、階級というのは存在する。
ただ、今まで、大衆がそれを気づかないフリをしていただけの話だと思う。
また、社会はそれを出来るだけ糊塗し、
大半の国民は気づいていながらも、わざと直視していなかった様に思う。
それだけ赤裸々に語られる時代になったと思うのである。