#その他文学

エロチカ 秋田 昌美著『性の猟奇モダン―日本変態研究往来』162冊目

大正末期から昭和初年にかけて到来した 「エロ・グロ・ナンセンス」の時代。 次々に発刊された変態雑誌と、梅原北明、 中村古峡、斎藤昌三、酒井潔など日本性学の泰斗を照射し、 その眼差しのありかを検証する猟奇モダン時代の性メディア史。 目次 1 変態研…

エロチカ ジョン・クレランド著『ファンニーヒル』(1927)154冊目

今回は文芸資料研究会より1927年に刊行された、 ジョン・クレランド著佐々木考丸訳『ファンニーヒル』を紹介する。 本書はクロス装の上製本限定500部。並製本も存在するが未見。

おすすめの本 吉村昭著『海も暮れきる』(1980 講談社)153冊目

尾崎放哉(おざき ほうさい、1885年1月20日(明治18年) - 1926年4月7日(大正15年))は日本の漂泊俳人。 本名は尾崎秀雄(おざき ひでお)。 小豆島土庄町の王子山蓮華院西光寺奥ノ院南郷庵の庵主となる。 ここで落ち着き、俳句の創作に没頭したが、結核に罹患…

エロチカ 『LE JARDIN PARFUME(薫園秘話)』(1928)148冊目

今回は文芸資料研究会より1928年に刊行された、 シイクーネフザウイ著上森健一郎訳 『LE JARDIN PARFUME(薫園秘話)』を紹介。限定500部。

エロチカ 荒俣宏著『セクシーガールの起源』139冊目

微笑みかける魅惑のピンナップ美女。 図像読解の独創性、蘊蓄の面白さ― 20世紀に誕生した「セクシーガール」の変遷を、 大衆風俗誌やカレンダーに描かれた名作ピンナップに見る、 世界にも類のない快著。 【目次】 からだで魅せる女の誕生/ 「ナイスバデ…

エロチカ 『あまとりあ8月終刊倍大号』(1955)137冊目

今回紹介するのは、『あまとりあ8月終刊倍大号』である。 本書はあまとりあの終刊号であり、分厚く豪華な作りで、付録が付いている。 付録は斉藤昌三による、「翻訳文芸発禁考」なる冊子で、 大まかに明治・大正・昭和の発禁翻訳作品が列記され、 作品の一節…

おすすめの本 坂口弘著『あさま山荘1972 上下続』133~135冊目

あさま山荘銃撃戦・同志殺害の当事者として 死刑判決を受けた著者が、20年の沈黙を破り、 初めて明かす事件の全容。(1993 彩流社) (本書紹介文より抜粋) 今回は坂口弘著『あさま山荘1972 上下続』を紹介する。 もう30年以上前のことであるが、当時生中継…

おすすめの本 『ふりだしに戻る(上下)』128冊目(1991 角川文庫)

ニューヨーク暮らしにうんざりしていたサイモン・モーリーは、 九〇年前に投函された青い手紙に秘められた謎を解くため「過去」 1882年のニューヨークへ旅立つ。鬼才の幻のファンタジー・ロマン。 (本書紹介文より抜粋) 本書ジャック・フィニイ著 福島 正…

発禁本 村山知義著『変態芸術史』127冊目(1926)

今回は1926年(大正十五)に文芸資料研究会から刊行され、 官憲より発禁になった、村山知義著『変態芸術史』を紹介する。 ちなみに発禁となったと言っても、 今となっては別に刺激的な本ではない。 変態という名を冠しているが、 今で言うような意味合いで使…

古書 饗庭篁村著『勝鬨』123冊目(1890)

今回紹介するのは、饗庭篁村著『勝鬨』である。 本書は春陽堂より明治廿三年四月廿三日に 「新作十二番」之内の一番本として刊行された。 江戸から東京となり、明治も20年を過ぎ、 洋式製本の活字本が登場していた。 今なお江戸文化を懐かしく思う声も巷には…

サド著 澁澤龍彦訳『ジェローム神父』122冊目(2003 平凡社)

澁澤龍彦ホラー・ドラコニア 少女小説集成(全5巻)第1弾 誘拐、陵辱、殺戮そして食人。 犯罪小説サド、衝撃の復活! (本書帯より抜粋) 今回、紹介するのは、2003年に平凡社から、 ホラー・ドラコニア少女小説集成【壱】として刊行された、 サド著 澁澤龍…

古書 須藤光暉著 一顰一笑 『新粧之佳人』 (1887)116冊目

今回、紹介するのは、須藤光暉(南翠外史)著の 政治小説で、一顰一笑 『新粧之佳人』。 正文堂より明治20年5月15日刊行の初版である。 初版と再版には違いがあり、挿入されている文中の石版画が 初版だと色刷であるが、再版だとそれが単色刷である。 この『…

おすすめの本 吉村 昭著 『虹の翼』(文春文庫)115冊目

今回は、吉村 昭著 『虹の翼』(文春文庫)を紹介する。 吉村昭は好きな作家の一人だ。数々の良作を発表している。 どれも力作揃いだ。歴史の中で光が当たる事が 少ない人物、出来事を好んで取り上げている。 本作『虹の翼』では二宮忠八を取り上げている。 …

古書 探偵小説『百萬両』(1893)111冊目

今回は、春陽堂が明治26年(1893)に刊行した、 探偵小説『百萬両』を紹介する。 私が所蔵しているのは、 明治26年3月30日刊行の三版である。 著者は、葱山人(匿名)訳となっている。 実際に訳したものかは不明。 当時売れに売れたものである。仮綴菊判。

おすすめの本 吉村 昭著 『深海の使者』(文春文庫)109冊目

第二次大戦当時、途絶状態にあった日本とドイツを結ぶ連絡網をひらくため、 数次にわたって大西洋に進攻した日本の潜水艦の苦闘を描く力作。 (本書紹介文より抜粋) 今回は、吉村 昭著 『深海の使者』(文春文庫)を紹介する。 これも大変な力作であり、著…

エロチカ 沼正三著 『ある夢想家の手帖から』1~3巻106~108冊目

今回は、「家畜人ヤプー」の沼正三著の『ある夢想家の手帖から』を紹介する。 本書は1970~1971年に都市出版社より刊行された。 元々は「奇譚クラブ」に連載。それをまとめたものである。 古今東西のマゾ・サドに関するエッセイ集である。 帯宣伝文には「三…

おすすめの本 井上ひさし著 『青葉繁れる』(1973 文藝春秋)104冊目

この長篇は著者の精神的故郷である仙台を舞台に 妄想ばかりしていた少年時代をもつ男の思想的半自叙伝を すべての権威を相対化してしまうパロディ意識で つらぬいた愉快な青春小説。 (著者からの内容紹介より抜粋) 私は作家・戯曲家の井上ひさしが好きであ…

洋古書08 Bayros作 『Im Garten der Aphrodite』103冊目

今回はFranz von Bayros(バイロス)作『Im Garten der Aphrodite』 (アフロディテの苑)を紹介する。 石版画18葉、それに内容を記したボードが付属している。 限定350部。布装洋帙入。 この作品は私的出版であり、 出版社名、刊行年、刊行地の記載は無い。…

おすすめの本 見沢知廉著『天皇ごっこ』他 99~101冊目

見沢知廉。昭和34年東京生れ。 暴走族に参加、早稲田高時代に 左翼組織に加わり退学。 定時制高校を経て、中央大学法学部除籍。 新右翼に転向してゲリラ活動を行い、 57年には「スパイ」殺害事件で逮捕。 懲役12年の判決で服役中に書いた「天皇ごっこ」が 平…

エロチカ 斉藤夜居著 『大正昭和 艶本資料の探求』(1969)97冊目

艶本・地下本・発禁本の研究、探求の好資料と言える本で 大正から昭和の好色本について解説したものである。 しかし抜けているもの有るが、斉藤夜居の業績が充分評価出来る。 梅原北明と文芸市場社の活動についても、 (充分な量とは言えないが)述べられて…

古書 黒岩涙香著(翻案)『海底の重罪』94冊目

今回、紹介するのは、黒岩涙香著(翻案)『海底の重罪』である。 タイトルは『海底の重罪』のみだが、他に『法廷の美人』も収録。 『海底の重罪』は、ボアゴベ「潜水夫」の翻案で有り、 『法廷の美人』は、ヒュー・コヌウエイ「暗き日々」の翻案。 本書はオ…

エロチカ 宮本良訳 『おんな色事師』(1929)93冊目

今回は宮本良訳 『おんな色事師』を紹介する。 上製本 本文模様入の2度刷。 枡形の珍しい造本で、装丁は西谷 操。 昭和4年7月に、南柯書院より限定300部 刊行されたが、官憲により発禁。

おすすめの本 吉田 司 著『下下戦記』(1991 文春文庫)89冊目

「賠償金なんていらないんだ。人並みに恋をして結婚したい」 70年代の日本を揺るがせた水俣病裁判。 だが若き患者たちの本音は世間に黙殺されていた。 安アパートの一室に集って自活して、支援者に振られたり 神戸へと駆落ちしたり…。 十代二十代の患者たち…

エロチカ 『世界の刑罰・性犯・変態の研究(復刻)』88冊目

今回、紹介するのは、『世界の刑罰・性犯・変態の研究(復刻)』である。 この本は、原書は1930年に刊行。その復刻本。 1977年に若宮出版社から刊行された。 古今東西の刑罰・性犯・変態の図版資料が収められている。

おすすめの本 吉岡源治 著『焼跡少年期』(1987 中公文庫)83冊目

今回紹介するのは、吉岡源治 著『焼跡少年期』である。 1987年に中公文庫から刊行された。(単行本は1984年に刊行) 帯にはこう書いてある。 「戦災の傷跡を刻む貴重な体験記」 正にその通りで、貴重な体験記だと思う。 これでもか、と言わんばかりに、 次々…

おすすめの本 野坂昭如著 『てろてろ』(1971 新潮社)82冊目

糞便学者ビン、オナニスト新吉、そして酒乱の禅介。 自分が何を憎み、何を愛するかも実感できず、 それぞれの嗜好に耽溺していた自閉症三人組にも、 あるとき殺意が芽ばえた。 殺人こそは他者との対話の究極の形と信ずる〈心優しきテロリスト〉に 変貌した彼…

古書 ジョージ・オーウェル著『一九八四年』81冊目

今回は、ジョージ・オーウェル著『一九八四年』を紹介する。 この本は吉田健一・瀧口直太郎による本邦初訳で、 1950年に文芸春秋新社より刊行された。 やはり昭和20年代の出版なので、紙質は悪いが、表紙が面白い。 この表紙は、1949年の「LIFE」の記事を元…

古書 黒岩涙香著(翻案)『人耶鬼耶』80冊目

今回、紹介するのは、黒岩涙香著(翻案)『人耶鬼耶』である。 フランスの作家ガボリオ「ルルージュ事件」の翻案。 黒岩涙香は明治のジャーナリストであり、名翻訳家。 彼は自ら刊行する新聞紙「万朝報」に海外小説、 主に探偵小説を翻案し、連載した。 この…

エロチカ 安芸 順著 『女囚の谷間』(1959)79冊目

ソ連ラーゲルに於けるおどるべき女囚の性態 (本書帯宣伝文より抜粋) 今回、紹介するのは、安芸 順著 『女囚の谷間』である。 小壷天書房より1959年に刊行された。 内容は帯に有る様に、旧ソ連の収容所における、 女囚と日本兵との性的交流を描いた本である…

発禁本 羽塚隆成訳『ナポリの秘密博物館』(1929)71冊目

今回は羽塚隆成訳『ナポリの秘密博物館』を紹介する。 四六判 絹布装 昭和4年11月に、 文藝市場社より刊行されたが、官憲により発禁。 綺麗な装丁の本でデザインも素晴らしい。 元はフランスで刊行された本の翻訳である。