おすすめの本 吉村 昭著 『虹の翼』(文春文庫)115冊目

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今回は、吉村 昭著 『虹の翼』(文春文庫)を紹介する。
吉村昭は好きな作家の一人だ。数々の良作を発表している。
どれも力作揃いだ。歴史の中で光が当たる事が
少ない人物、出来事を好んで取り上げている。
本作『虹の翼』では二宮忠八を取り上げている。

二宮忠八は、ライト兄弟が世界初の飛行を
おこなった以前、1891年(明治24年)に、
ゴム動力の鳥型飛行器模型を飛ばした人物である。
その事を知る人は少ない。
二宮忠八(衛生兵)は飛行機の考案を
上官に提出したが、握りつぶされた・・・。
そんな日本社会の縦社会、また実績主義の弊害により、
世界的な発明がなされようとしたが、研究が頓挫したのである。