古書 饗庭篁村著『勝鬨』123冊目(1890)

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今回紹介するのは、饗庭篁村著『勝鬨』である。
本書は春陽堂より明治廿三年四月廿三日に
「新作十二番」之内の一番本として刊行された。

江戸から東京となり、明治も20年を過ぎ、
洋式製本の活字本が登場していた。
今なお江戸文化を懐かしく思う声も巷には存在した。
そんな声に応え、あえて和紙、和綴、本文木版、挿絵木版という、
言わば時代を逆行した、このシリーズを刊行したのである。
出版当時から美麗な本として、話題になったシリーズである。
饗庭篁村は、今となっては、とうに忘れ去られているが、
当時は大変な人気を誇った作家であった。
挿絵は当時人気の絵師「月岡芳年」が描いている。