エロチカ 『あまとりあ8月終刊倍大号』(1955)137冊目

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今回紹介するのは、『あまとりあ8月終刊倍大号』である。
本書はあまとりあの終刊号であり、分厚く豪華な作りで、付録が付いている。
付録は斉藤昌三による、「翻訳文芸発禁考」なる冊子で、
大まかに明治・大正・昭和の発禁翻訳作品が列記され、
作品の一節も紹介されている。
(しかし付録であっても、もっと掘り下げて欲しかった様に思う)
本書を最後に、終戦後に、(真面目に)性に着目し、取り組んだ雑誌
あまとりあ」の歴史が閉じられたのである。
この雑誌とまた高橋鉄の功績は大きい。
また「あまとりあ」に投稿した豪華な執筆人
伊藤晴雨、原浩三、中野栄三)の存在も大きいと思う。
ちなみに官憲による弾圧は当初から激しく、「あまとりあ」創刊号は発禁となった。
あまとりあ」の終焉は戦後の終焉でもあった。

*目次には五島勉の名も見え、「来日スター行状記」と題した雑文を書いている。