SF マイクル・クライトン著「タイムライン」

マイクル・クライトン
酒井昭伸
2000年5月25日初版発行
早川書房

フランスにある14世紀の遺跡で大学の
歴史調査チームが発掘したのは、
なんと現代製の眼鏡のレンズと助けを
求めるメモだった。その直後、調査チームは
スポンサーでもある巨大ハイテク企業ITCに
よって緊急に呼び出された。
遺跡発掘の責任者であるジョンストン教授の
救出に協力してほしいというのだ。
リーダーのマレクをはじめ、
チームのメンバーたちは耳を疑った。
その行き先というのが、14世紀のフランスだったからだ。
ITCはタイムマシンともいうべき装置を開発していた。
それを使えば14世紀のフランスとの往き来が可能だという。
教授救出のために14世紀に転送されたマレクたちは、
騎士たちに襲撃され死者を出すなど思わぬ事態に見舞われた。
またその影響でITCのタイムマシンに深刻な損傷が
―猶予時間は37時間。一行は教授を救出し、
無事帰還できるのか?…最先端の量子力学理論をもとに描く、
驚異のタイムトラベル歴史冒険小説。
(本書紹介文より抜粋)

発売当時、本書を期待をして買い、読んだが、
期待よりは良作とは感じなかったが全くダメという訳でもない。
タイムマシンの理論とかはどうでもよく感じる。
そこには著者のこだわりはあるのだろうが、
実現不可能なものに関し、理論などはどうでもいいと思うからだ。
そういうのは実現が可能とか完成間近になってからでいいのでは
と思ってしまう。取らぬ狸の皮算用のように。
実現の見込みがなどない理論よりも、本書なら、現代から過去へ
タイムマシンで行った登場人物がどう行動したのかが重要だし
気になる読者が多いのではないかと思う。映画化もされた。

中世ばかりにSF小説SF映画は行っているようだが、
中世だけではなく19世紀のフランスのパリにも行って欲しい。
とても面白い時代であり、現代にとても近く、時代考証の史料も
多いから再現しやすいはずだ。(しかしそれだけごまかしが
出来ない)19世紀は近代化された時代なので良い題材だと思う。
ジャック・フィニイは19世紀を舞台にした時間もののSFを
多数書いているが、もう故人だし、他の作家が書いたものを
読んでみたい。

trailer Timeline
(記事投稿時には視聴可能)
https://youtu.be/wg_uk4-n_VQ?si=8GBmKxP54Ah_Jfum