読書 栃折久美子著 『装丁ノート 製本工房から』231冊目

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今回は栃折久美子
『装丁ノート製本工房から』を紹介。
集英社文庫より1991年刊行。
装丁の勉強の為、ベルギーへ留学した、
著者のエッセイ集。
装丁に関する事を中心に、思うや考える事が
飾ることなく、書かれている。
本への愛情がひしひしと感じられる本。
著者は日本における、装丁芸術(Reliure d'art)の
先駆者的存在としてよく知られている。
栃折久美子は1928年生まれだから、来年で80歳になる。
ベルギー留学を綴った、彼女の著書 『モロッコ革の本』
によれば、ベルギーに渡ったのは1972年。
彼女が44歳の時であり、今の私よりも高齢時に
渡欧した事になる。
『モロッコ革の本』には、彼女の若々しい写真も有り、
それを見ると40歳超とはとても思えない。
白黒だから(実際とは)感じが違うかも知れない。
しかし、彼女のベルギーでの日々は、
『モロッコ革の本』とても活動的には描かれている。
今、現在の彼女の写真を見ても、どこか気品があり、
そこには芯の強さが感じられる。