読書 樋田直人著『蔵書票の美』232冊目

イメージ 1

15世紀のヨーロッパで生まれ、《紙の宝石》と呼ばれる蔵書票は
いま世界的ブームにあり、世界最大の書票協会員を有する日本では、
優れた作家・蒐集家も多い。
この蔵書票の世界を豊富な資料・作品例で解説した基本図書で、
愛好家・作家・研究者にとって待望の必読・必携の書。
(本書の裏書きから抜粋)

今回は、樋田直人著『蔵書票の美』を紹介する。
小学館ライブラリー(文庫サイズ)1998年刊行。
うーん何をして、世界的ブームと定義すれば良いのか?
巷では、蔵書票は、決して身近な存在ではないと断言したい。
今や書物ですら身近な存在ではなく、それは誇張と言うべきであろう。
しかし、日本にも有る程度の蒐集家は存在し、
我がヤフーブログでも、その世界を垣間見る事が出来る。
しかし、やはり一部の人達の物であり、決して一般的に普及しているとも
言えないし、またブームだとも、とても言えないであろう。
まあ、それはさておき、本書は蔵書票の概要を知るのは、良いかも知れない。
しかし、決して深いところまでは書かれていないので、
蔵書票蒐集家にとっては、どれも既に知っている事ばかりなので、物足りない。

”基本図書”と紹介文で書かれている様に、
本当に基礎的な事柄だけなので、
”愛好家・作家・研究者にとって待望の必読・必携の書”とは
到底成り得ない気がする。
愛好家、作家、研究者にとっては、本書に書かれている事は、
既に暗記する程熟知しているはず。