『IFAA/OBLIQUE アイファ/オブリック展』Ⅲ

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ミニアチュール「紋章的自画像」の鉛筆画を初めて見たのは、
中嶋さんのブログでした。
http://53435481.at.webry.info/
私が今回購入したのは、オブリック展に展示中の
鉛筆画のミニアチュール「紋章的自画像」を、若干縮小し
銅版画にしたもので、これはオブリック展には展示してありません。
銅版画「紋章的自画像」雁皮刷り、
ハーネミューレに貼り込み、1/30
この作品の世界観はとても良いです。
自分の好みです。ナカジマズムが良く出ていると感じました。
『Agnes u. Gustav Drobnerの蔵書票』(Exlibris)
上記は私のブログの古書蒐集日記の蔵書票の記事タイトルです。
以前、この『Agnes u. Gustav Drobnerの蔵書票』(Exlibris)を
記事にしましたが、この蔵書票の様な、二人の人物の対比という構図は
私の好きな構図で、二人の対比という発想が好きなのです。
また「紋章的自画像」の下部に描かれている蛸が良い味を出しています。
思ったりよりも作品が小さく、どこまで細部が描写されているか
実際に見るまでは気になりましたが、細部まで描かれています。
中嶋さんの作品は、どれもが丁寧な描写ですが、
このミニアチュール版画作品「紋章的自画像」も、
また実に丁寧で、繊細に描かれています。
右にブーツを履いた女が描かれています。
この様な版画で、ブーツ、或いはボンデージファッションを
着用したものは見たことが無いということもあり、
よくぞ描いてくれたという思いです。
このようなものは男の欲情装置としての作用がありますが、
作品に関して言えば、なかなか作品化されていないと感じます。
女の版画家もいますが、女自身このようなフェチズムを
作品に注入するという発想が少ないように感じます。
女は女というもの、女の特有さに、気づかないものです。
多くの男が不思議に思うことに、女のいい匂いがあり、
また、手の(餅の様な)柔らかさがありますが、
これらは女自身なかなか気づかないものです。
女が女を、また女が女の持つエロスを、フェチを描かないのは、
女自身が既に男が見たい(知りたい)ものを持っているからでしょう。
中嶋さんの作品は、男の目から見た女であり、また美でもあります。

会場が最終日という事もあり、私が入った後に、
次々に人が来て、ギャラリーが大変賑やかになってきました。
若い方の姿も見えます。
出品者の作家の年齢層に比例し、ギャラリーの客層としては
比較的若めになるのではないのでしょうか。
どんな分野でも世代交代が有ります。
芸術家、それに美術コレクターでも世代交代が有ります。
芸術、美術というのは、決して一部の人たちの物ではなく、
また巨大な美術館に鎮座するものでも有りません。
日常に普遍に存在すると思います。
また実際に買って飾って楽しむものだと私はいつも思います。
その辺の事が多くの日本人には理解されないのは残念です。
全員では無いにしろ、多くの日本人にとり、芸術や美術は高尚だという
意識が有るようですが、決してそんな事はなく、身近なものであり、
実際に飾って楽しむものだと私は思います。
いつも思うことですが、美術作品は作家の名前(言わばブランド)でなく、
作品自体の評価で買って欲しいと思います。
有名ではなくとも、星の数ほど素晴らしい作品がこの日本でも、
毎日作り出されているのに、金太郎飴のように、
極一部の作家だけが注目されるのは如何なものかといつも思っております。
旧来の既得権者(第三の権力或いは第四の権力)のマスメディアに
取り上げるものばかりが最良、或いは最高であるとは限りません。
天才、或いは才能有る人物は、いつでもどこでも身近にいるものです。
既知の美術史に取り上げられる芸術家だけが天才ではないと思いますし、
最高のものを作り上げるとは限らないと私はいつも思っています。

今回、江崎五恵さん、
http://ahirunba.cocolog-nifty.com/blog/
高田美苗さん、
http://www.minae.info/
には時間的な制約もあり、お会いする事が出来なかったのは残念です。
このお二人のブログは、中嶋さんのブログ
http://53435481.at.webry.info/
のリンクからお邪魔して、いつも拝見しております。
お二人とも才能豊かな芸術家です。
特に高田美苗さんは何でも出来る方で、
いつも勉強熱心であり、自己研鑽を怠らない方です。

お忙しい中、お話を聞かせて下さった、
中嶋さんに、この場を借りて、お礼を申し上げます。
どうも有難う御座いました。
おかげさまで、とても楽しい時間が過ごせました。

写真は上から、
銅版画「眠り」(忘却)
鉛筆画のミニアチュール「紋章的自画像」
銅版画「紋章的自画像」の原版
銅版画「紋章的自画像」雁皮刷りハーネミューレに貼り込み