『IFAA/OBLIQUE アイファ/オブリック展』Ⅱ

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今回の『IFAA/OBLIQUE アイファ/オブリック展』には
中嶋清八さんの作品が2点展示してあります。
版画「眠り」(忘却)、
それに鉛筆画のミニアチュール「紋章的自画像」

中嶋さんはこの二つの作品について、こう語っています。
「版画「眠り」(忘却)は傷ついた少年と少女の絵です。
彼らは今、しばらくの間、現実から離れ、眠りの中にいます。
少し苦しい眠りです。月は、彼らの不安や、夢想を象徴していますが、
決して暗いものではありません。
中央の人物は眠りをもたらすものを擬人化したものです。
体の下半分は、曖昧にケシの花と溶け合っています。
ケシの花は眠りと忘却を象徴しています。
大きな蛾は、夜の象徴でもあり、変身の象徴でもあります。
眠りはひとつのモラトリアム期間で、
この眠りから目が覚めたときに変革が訪れるという
意味(願い)をこめて、描きました。
横たわる少年や少女の姿を、上から下に落ちるように配置し、
上下や空間が曖昧になるように描いています。
自分の見る夢のイメージにできるだけ近づけようとしました。
高い熱を出したときに、こんなイメージがよく頭に浮かんだものです」

「鉛筆画のミニアチュール「紋章的自画像」は、
文字通り、紋章風に描いた自画像であり、
中央の盾の部分に描かれた9つの図像は、
私が好むもの、或いは表現によく使うイメージです。
人形、頭に翼の生えた天使、月と太陽、正多面体、白い花
(この白い花はタロットカードの愚者のカードに描かれてますが、
無垢の象徴です)蝶、頭蓋骨、悪魔(一筆書きの星は悪魔を
象徴しています。悪魔そのものを好んでいる訳ではありません)
対数螺旋が美しいオウムガイ(数学的な美しさは、正多面体も
そうですが私の大好きなものです)
盾の下には、おなじみの蛸。両側に配置した男女は、
私が好んで描くエロティックなイメージそのものです。
特にサディズムマゾヒズムを表現しているのではありません。
激しいイメージが欲しいのでこの様なボンデージファッションを描きました」