5月11日 ポリーヌ・レアージュ著 澁澤龍彦訳 金子国義挿絵『オー嬢の物語』(1954)12冊目

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フランス文学『オー嬢の物語』を紹介する。
この本は現在ポルノとして有名な本である。
作者はポリーヌ・レアージュ(Pauline Reage)という名となっているが、
実際の作者は、ドミニック・オーリ(Dominique Aury)であり、
彼女は1998年4月26日に90歳で既に亡くなっている。
(彼女は生前、『オー嬢の物語』(Histoire d'O)は自分が書いたと発言した)
この本は1966年に河出書房新社より刊行(本邦初訳)されたものである。
訳はフランス文学者の澁澤龍彦
挿絵は澁澤龍彦から依頼され、当時新鋭の画家金子国義が担当した。

古書店でも勘違いしている人が多々居るが、
古書で生計を成すのであるならば、
いい加減な記述はやめて貰いたい。
本書は「帯付」と書く古書店がいるが、
それは否。帯に見えて、実際はただの印刷である。
帯と思う気持ちは判らんでもないが、
まず帯というからには幾分かの紙の厚みがあり、
手でなぞると、その紙の厚みが感じられるはずで、
その時点で、これは帯風に印刷されたものだと
確実に認識できるはずだが・・・。
恥ずかしい事に、帯付きと1ミクロンの疑いも持ちえず、
堂々と記載しているのはただ閉口するばかり。
知識(書誌学)というものが根底から、根本から異常な程、
欠如している古書店には、正直うんざりしている。
無知蒙昧で、素人以下の知識しか持ちえない癖に、
あくどい価格帯をつけている輩がいる。
古書店を開業する際には知識を問うためにも、
国家試験でも実施し、免許制にして欲しいと思う程だ。
そこまで日本の古書店はどうでもいい業者ばかり。
欧米などの古書店は全部では無いしろ、
博識で書誌学にも詳しく、かつ語学にも長けたインテリが
我が国と比較して、多い傾向にあると思う。
人生死ぬまで勉強、知識と金がいくらあっても
決して邪魔にはならない。