絵画24 Hans Baldung Grien『女の三時代と死』

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今回は死と老いを描いた、『Hans Baldung Grien』の絵画を紹介する。
Hans Baldung Grienは16世紀に活躍した、ドイツの画家である。
老いと死と時間を題材にした絵画で有名である。

『女の三時代と死(Die drei Lebensalter des Weibes und der Tod)』
(1510年)

この絵は、女の一生を表している。
無邪気な幼女は(まだ何も知らない)無垢な時期。
熱心に手鏡を見、身づくろいをしているのは、
娘が(思春期に達し)生を謳歌している時期。
(勿論自分の身に死が訪れるなんて思ってない)
老婆は(残された時間を示す)砂時計を
掲げた死骸骨の男を見、怯えている。
何故ならば、老婆は(既に老い)死を意識し、
人生に残された時間が少ない事に気付いているからだ。
これは死をテーマにした、寓意画の傑作である。
この様に西洋絵画には死をテーマにした寓意画が多い。

*女の乳房は女そのものと言えるのではないか。
人間の身体で、これほど変化に富む部位はない。
幼児期は平らで、娘になれば、山の様に隆起し、
年老いれば、萎んだ風船の様に、垂れ下がる。
まるで女の人生は花の様である。
咲き誇る時期ほど、人はそれを賞賛し賛美する。