読書 志麻永幸著『愛犬家連続殺人』(2000 角川文庫)156冊目

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九八年八月二十八日、俺は満期三年の実刑を終え、
栃木の黒羽刑務所を出所した。
逮捕された時の罪名は「死体損壊・遺棄」。
そう、俺があの『埼玉愛犬家連続殺人事件』で主犯・関根らとともに人肉を
サイコロのようにカットし、人骨を粉になるまで焼き尽くした山崎だ。
俺は知っている。まだ世間には知らされていない関根の凶暴な素顔を。
その恐るべきやり口を。
そして、未だ解決していない数数の行方不明事件の真相を…。
たぐいまれなる凶悪殺人事件でありながら、
阪神大震災オウム事件の陰で注目度の低かった
『埼玉愛犬家連続殺人事件』。
その共犯者が自ら綴る驚愕の書。

目次
1 そう、俺があの山崎だ。
2 俺は奴のホラを信じた。それが不幸の始まりだった。
3 サイコロステーキみたいに細かくカットされたピンク色の人肉は、
まるで桜の花が散るみたいに川面に吸い込まれていった。
4 あいつ、いい死に顔だったよな。
考えてみれば奴も一番いい時期に死んだってわけだ。
5 あの異様な臭いが鼻をついた時、俺は生涯で最悪のものを目にした。
6 元はガキの頃からホラばかり吹いていた。
だから俺たちはあいつのことをホラ元と呼んでいたんだ。
7 大久保清は死体を全部残している。あんな馬鹿、死刑になって当然だ。
8 気をつけろ、床下からマルチーズの死骸が出てきたぞ。
9 「僕にできることなら何でもする」そう言って検事は俺の前で土下座した。
10 関根と関わりがあった埼玉と群馬の行方不明者はたぶん全員が消されている。
(目次、本書紹介文より抜粋)

今回は、志麻永幸著『愛犬家連続殺人』(2000 角川文庫)を紹介。
驚愕の書と紹介文に有る様に、正に驚くべき内容であった。
事実は小説より奇なるものだ。
日本の犯罪史に特記すべき犯罪だと言える。
2005年12月に最高裁が上告棄却、死刑確定。