『福岡が生んだ奇才、白石晃士監督作品 邦画 「グロテスク」』

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あなたは愛する人のために死ねますか?

2009年日本制作。73分。

福岡が生んだ奇才、白石晃士監督作品。
福岡というところは数多くの有名人(偉人・天才)
を輩出してきた。また「博多商人」という言葉が
有る様に、商才に長けた者が多く、
また「博多美人」という言葉が有る様に、
目が二重の縄文系美人が多い土地柄でもある。

それに加え、政治家、各分野の学者、軍人、芸能人、
スポーツ選手、芸術家、小説家、映画監督等を
正に多種多様な、才能に富む有名人を
数々生み出し続けてきている。
(そこには福岡という土地の特殊性を感じる)
また福岡は考古学(日本史)においても、
極めて重要な位置にあり、外交や交易にも
重要な拠点でもある。

福岡出身者の映画監督では、白石晃士監督以外にも、
石井聰亙石井岳龍)」がいる。
1980年代に青春期を過ごした私には
おなじみの監督であり、その作品群は
極めてインパクトがある。
例えば「狂い咲きサンダーロード
(1980年)や「爆裂都市 BURST CITY」 (1982年)
や「逆噴射家族」 (1984年)、或いは、
「半分人間 アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン
(1/2 Mensch」(1985年)、それに
ザ・スターリンのPV「ロマンチスト」
「アレルギー」「STOP JAP」等。
石井聰亙も福岡が生んだ奇才である。

それに今度、福岡という土地で白石晃士という
監督を生まれた。白石晃士も奇才である。
福岡出身者というものは、特異な発想をするものが
比較的多いと感じる。
白石晃士監督もその一人に感じる。
特異な発想を別の言い方にするならば、
「才能」と言い換えても良い。
福岡というものが無ければ確実に日本史は
今現在の日本史とは違ったものになっていた
であろうし、また日本国というものも、
今とは「異なる日本国」になっていたと思われる。
それほど福岡というところは国内に多大なる
影響を与え続けている土地である。

白石晃士監督は本映画以外にもインパクトが
有る作品を作り続けている監督である。
さて、本映画は見る前から予想出来うる、
言わば予定調和的な映画ではあるが、
そこには拉致された女が失禁するという点等では、
リアリティにあふれている。
しかし、最後に女の首が医者に切断され、
その首が医者の首に食らいつくというのは
ご都合主義(有る意味マンガチック)ではある。
それはおいておいても映画としては充分に
成立しているし、及第点であるとは思う。
今から拷問をされる男女2人の前で、
クラッシックをかけ、コーヒーとケーキを食べ、
ケーキについての薀蓄を言うシーンは
有りがちと言えば、有りがちであり、
この辺は予定調和に感じられ、
そこは捻りが欲しかった様に感じた。
しかしながら、邦画でここまで
*残酷な描写をしたという点では
充分に評価出来るのではないかと思う。
また尺が短いので余分な無駄な描写も無く、
さくさく物語は進行していき、飽きさせない。
他に良い点を挙げるならば、配役が良いと感じる。
長澤つぐみを起用したのは良い。
また映画の冒頭の喫茶店の会話シーンも良いが
本映画はお薦めはしないし、1回見れば充分。

本映画のラストシーンはUKの作家、
ジョン・ファウルズの「コレクター」を
彷彿させるが、これだけは記しておかなければ
ならないが、ジョン・ファウルズの「コレクター」
の趣旨は拉致でも監禁でもなく、
簡単に一言で言うならば「階級闘争」であり、
以前本ブログでも記した事である。

*残酷というか、ここでは書く事が不可能な
描写の連続の映画「オールナイトロング」
シリーズに関しては何も評価は出来ない。
(色んな価値観や考えは有るとは思うが・・・)
ただ言えるのは余りにも異常過ぎる。
映画にしても、芸術にしても、倫理、道徳観、
理性が無ければならないのではないかと思う。
線引きが必要に思う。
(限界点があるのではないかと思う)
「オールナイトロング」シリーズは、
その限界点を遥かに超えている。
今まで数え切れない程の映画を見てきたが、
「オールナイトロング」シリーズは
もう二度と見たくない映画である。
余りにも不快な描写の連続で、嫌悪感しか覚えない。
「オールナイトロング」シリーズを見たという記憶を
脳内から消し去りたい程である。
(「オールナイトロング」シリーズも絶対お薦めは
しない)

Grotesque / Grotesco / グロテスク HD
(記事投稿時には視聴可能)
http://youtu.be/846TUrGSYEQ