グロと狂気と血みどろのフランス映画 『フロンティア』

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原題Frontier(s)
監督ザビエ・ジャン
2007年フランス映画。108分。

期待満々で見た。やはり良かった。最高に良かった。
フランスは最近、アレクサンドル・アジャ監督による、
『ハイテンション』等を例にとってみても判る通り、
本作品の様な、血みどろのホラー映画の制作に熱心である。
本作にはホラー映画には珍しい銃撃戦が有るが、
フランスは我が国の様に過酷な銃規制は無く、
銃は個人でも申請すれば所持する事が出来る。
アメリカまでも自由ではないが、欧州において、フランスの銃規制はそれほど厳しくない。
(日本は世界で最も銃規制が厳しく、多分世界一銃規制が厳しいと思う)
この映画でも描かれている様に、移民政策をとったフランスは、
多大なツケを今、払っている。人種差別が根本にあり、移民達の二世三世達は、
暴動を各地で起こしている。世界で最も賃金が高く、(基本的に)学費無料、
人権意識が高いフランスでさえも、このような政治や政策に対する不満が蔓延している。
確かに人種差別はある。移民はなかなか仕事に就けない。
もし、仮に今の日本のような政治政策だったならば、毎日フランス革命が起こるだろう。
(勿論、我が国日本においても確実に人種差別はある)
我が国でも移民政策、移民受け入れに積極的な輩はいるが、
それは愚策であり、暴挙である。大半の日本人にはメリットは全く無い。l
モラルの低下や犯罪率の増加、また失業率が確実に増加することは間違いない。
そのような愚策を呈するのは、その愚案をよって己の利益を得る者だけである。

本作の主人公ヤスミン(カリーナ・テスタ)が可愛らしい。
Bjorkyoutube:Bjork talking about her TV)や蒼井優に見えて仕方が無かった。
悪魔のいけにえ」を静とするならば、本作品は動である。
ホラー映画には珍しく、銃が登場する。
ホラー映画を見て、いつも思うことだが、主人公達は誰もが銃を所持していない場合が
(今までのパターンでは)多い傾向にあるが、本作では、最初から主人公達は銃を持っており、
また誰もが反撃する気満々であって、隙有れば、即座に反撃する。
カリーナ・テスタ演じる、ヤスミンは、あの「キャリー」さながらに、文字通り血みどろになりながらも
果敢に反撃する。彼女こそは映画において、最も殴られる描写を演じた、女優ではないかと思う。
(それほど映画の中で、何度もボコボコに殴られる)
またグロシーンが多く、ホラー映画マニアも満足出来る程の過激な描写が多い。
映画の後半、ヤスミンが段々と壊れていき、全身ブルブルと振るえながら、
ヨロヨロと歩くシーンは壮絶である。あれほどの演技は日本映画ではとても見られない。
また銃創や致命傷等の描写は素晴らしく、リアリティを追求しており、本物に見える。
(日本映画でも同様のシーンがあるが、とてもリアルには見えない。勉強して欲しい)
本当に見える様に演技すること。それは俳優の本業である。
(それを忘れている、日本の俳優や女優は多く、小学生の学芸会レベルの者が多い)

悪魔のいけにえ」を例にとってもみても、アメリカは広大な面積を持っている。
しかし人口は日本の約2倍である。フランスの面積は54万7000平方キロメートルで、
日本の約1.5倍であり、人口は約6300万人強で、人口の割りには広大な面積を誇っている。
国土の大半は田園地帯であり、人がまばらに点在し、TV東京の番組「田舎に泊まろう」 に
出てくる田舎みたいな所が殆どである。ホラー映画には適した国土である。
悪魔のいけにえ」はいけどもいけども人に出会えない、広大な国土を持つ、
アメリカならではの話であって、そこには現実味があり、説得力を持っていた。
それと同様にフランスも言ってみれば、ホラー映画の設定には適した国土地理を持っている。
フランスはアメリカに次ぐ、ホラー映画制作大国になる、実力を秘めた国である。
欧州では、ホラー映画の制作では、卓越している。スペインでもUKでもホラー映画は
作られてはいるが、とてもアメリカやフランスには適わない。
フランスの制作のホラー映画は、これからも大いに期待が出来るし、
また、それだけの実力を持っている。