日本初の総天然色映画『カルメン故郷に帰る』

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今回は日本初の総天然色映画
カルメン故郷に帰る』(1951)を紹介。
(1937年公開の「千人針」を除けば、これが初のカラー映画)
軽井沢でほぼ全編を撮影した。
本作品の一部は”今は”YOUTUBEで見る事が出来る。
何故か牛か馬がやたら脈絡も無く登場する。
今から見ると実にシュールな映画である。
都会から来たストリッパーを高峰秀子(*リリイ・カルメン)と
小林トシ子(マヤ朱美)が演じている。
二人はとてもスリムである。
肉感的な豊満な女が良しと言われていた時代にしては珍しい。
まさか大スターでさえもが、昭和26年になっても、
食糧事情が悪かったとはちょっと考えにくい。
二人ともスターなので、当然美人であるが、
どちらかを選べと言われたら、
高峰秀子よりも小林トシ子を選びたい。
小林トシ子は今に近い顔立ちで現代風な感じがする。
それにしても、何と天真爛漫なストリッパーだろうか。
昭和26年という感じが全くしない。
昭和26年にしても1950年代にしても
白黒のイメージが強く、そして暗いイメージが強い。
しかし、この本作品は驚くほど、明朗で底抜けに明るい。

劇中歌が素晴らしいのだが、タイトルが判らない。
モンテカルロの ひと夜さは 乙なシャンペン かたむけて
浮気まなこの ルーレット ララ 玉がとぶ 甘い夢がとぶ お金なんかは 
無くとも平気 行きましょう 砂漠の果てまでも 手に手をとって、ラブソング・・・」
(小林トシ子は跳ねる、跳ねる、それでいて息切れもしない、さすが19歳)

高峰秀子1924年生まれなので、
1951年には27歳、2008年にはなんと84歳。
小林トシ子は1932年生まれなので、
1951年には19歳、
2008年にはなんと76歳。
両名とも戦争をリアルで体験した世代である。
どんなおばあちゃんになっているだろうか?誠に興味深い。

昭和20年代、或いは昭和30年代なんて、
今とは違い過ぎて、まるで異世界である。
(私は浅間山荘事件ですらよく覚えていない)

*リリイ・カルメン、マヤ・朱美。どっちも「名前」・「名前」ですな・・・。
ちなみに漫画の架空の人物であるが、
高峰秀子に年齢が近いのは、1922年生まれのフグ田サザエ。
(2008年には86歳)