読書 新堂冬樹著「ろくでなしとひとでなし」

幻冬舎文庫(2022/2/10)

コロナ禍、収益が萎む出版界で
左遷の憂き目に遭う編集者の佐伯華。
実家の食堂もやはり売上が落ち、
酒浸りの父に金を無心されて、
絶望感に苛まれていた。
そんなとき親友に紹介されたのが
マッチングアプリだ。狙うのは
年商数百億円の財閥の御曹司。
会えない日常を逆手にとり、
華は美容に励み、両親を偽装までして、
〝上級国民〟入りを目指すが......。
(本書紹介文より抜粋)

長くはない作品なのでさくさく一気に読めた。
ご都合主義の展開ばっかりで現実はここまで
スムーズにはいくわけがない。
佐伯華の親友のゆきだけは唯一まともな人かなと
思えた。脅迫オヤジがあーなるのは
充分予想が出来た。
セレブ(日本特有の誤訳)になるためには
手段を選ばない佐伯華に共感をする人は
この世の中には何人いるのだろうか?
新堂冬樹の小説には基本金には異常に汚い、
強欲、貪欲過ぎる人物しか出てこないが、
本作品も主人公の佐伯華は強欲過ぎる。
中盤までの流れは良かったけど
終盤急変したのは作者も面倒になったのかな。