映画「愛なき森で叫べ」

2019年。152分。

北九州監禁殺人事件にインスパイアされた映画。
北九州監禁殺人事件の再現ではなく、数%程度しか
影響を受けてない。
いつもの園子温節の世界が繰り広げられる。
実際の事件よりはかなり描写が甘く緩い感じであり、
まったく別物と言い切っても良いだろう。
この北九州監禁殺人事件を私は人類史上最悪の事件だと
思っている。
これ以上の残酷で無残で陰惨な惨劇はないと思っている。
主犯の松長は自分ではやらず洗脳した者にすべてやらせたが
それは明確な命令でもなく指示でもなく、察しろ、推測しろ、
場の空気を読め感じろという威圧であった。
松永は本映画に描写があるように登場人物の女とは全員体の
関係を持ち、より洗脳しやすいようにした。

この事件は余りにも残酷残忍陰惨なので報道規制された。
私は下記の判決文(PDF245ページ分。サイズ1.13MB)を数年前に
読んだことがあるが、男泣きするほどの悲惨で残酷で地獄の
ようなことが列記されていた。
事実は小説よりも奇なりというが正にその通りで本映画よりも
何倍も奇妙で異常で残酷で陰惨な事件である。
家族身内同士を互いに殺させ、または互いに通電させ家族の中で
階級を作り、互いに監視させた。
犠牲者には元警官までもいた。

この世の中には悪人が存在するが、その悪人にも種別があり、
いかにも私は悪い人ですみたいな判りやすい外見をした悪人と
悪人には見えないがサイコパスであり、極悪非道な人間がいる。
本当の意味での悪人は判りやすくもなく、また目印がついている
わけでもない。それは私は悪人ではありませんという顔をして
この世の中に紛れ存在している。

人は常にわかりやすい表面上しか見てなく、重要なものには
気がつかないが、重要なものほどわかりにくく表面上にはない。
サン=テグジュペリの言葉。
L'essentiel est invisible pour les yeux.

平成17年9月28日宣告
平成14年(わ)第227号,第302号,第430号,第843号,第941号
(認定罪名は傷害致死),第1169号,平成15年(わ)第56号,第125号,
第201号,第485号 監禁致傷,詐欺,強盗,殺人被告事件

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/111/008111_hanrei.pdf
(記事投稿時には閲覧可能)

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―(新潮文庫)という本より
上記の判決文のが詳細に書かれている。
「消された一家」は概略程度に過ぎないし、判決文よりは表現がやんわり
としているし、省略された部分がかなり多い。
今現在入手可能で事件の全容を把握できるのは上記の判決文しかない。
(既刊の完全ドキュメント 北九州監禁連続殺人事件は未読)
私は今まで無数の様々な犯罪や事件を調べてきたが、
ここまで凶悪な犯罪がないと断言する。

北九州監禁殺人事件の全貌【松永太・緒方純子】
https://matome.eternalcollegest.com/post-2135181593658354201

凶悪事件簿 file.1 「北九州監禁殺人事件」
https://bunta4.hatenablog.com/entry/20120821

『愛なき森で叫べ』予告編 - Netflix
(記事投稿時には視聴可能)
https://youtu.be/ybsrYkz0V0A