銅版画家の林由紀子の作品がエロティズム美術館に展示されましたⅡ

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エロティズム美術館は、日本で言うなれば、温泉地にありがちな
秘宝館みたいな感じと言っても間違いではないでしょうが、
例えるならば、日本の秘宝館は、作家の寺山修司のように、
田舎くさく、泥臭いイメージがあり、それに対し、
パリのエロティズム美術館は、例えるならば、
澁澤龍彦というべきイメージがあり、退廃、淫靡ながらも、
また洗練され、都会的なものを感じます。
フランス国内からまたは世界各国から、勿論、また日本からも、
この美術館には多くの人が訪れています。
エロティズム美術館のサイトを見ますと「Japon erotica」と言う
コーナーがあるように、この美術館は日本のエロティズムに
力を入れているようです。

林さんの蔵書票は妖艶ながらも、洗練された、エロティズムを感じます。
特に彩色された作品が素晴らしい。
この機会に、日本人の林由紀子さんのエロティズムを
フランス人に知って欲しいと思います。彼らはどう感じるでしょうか。

エロティズム美術館(仏語)
(記事投稿時なら閲覧可能)
http://www.musee-erotisme.com/

エロティズム美術館(日本語)
(記事投稿時なら閲覧可能)
http://erotisme.web.fc2.com/page2.html

林さんは欧州での蔵書票の受注について、このように言っていました。
「日本は市場が小さいし、マニアの高齢化により
さらに小さくなっていくに違いないので、欧羅巴に進出したいです」

日本の市場、つまり蔵書票の市場(或いは美術市場は)正しくその通りだと思います。
美大、芸大、専門などで毎年何万の数の芸術家が
大量生産され、それに加え、林さんと同じ既存の芸術家がおり、
この日本には相当な数の生産者がいるのに、
その受け皿になる、購買者、いわば、コレクターは
何万人も何十万もいるのでしょうか?
人口100人の村にラーメン屋が1000軒もあるようなものです。
私と同じことを思っている人がおり、
私の気持ちを代弁してくれているような記事を以前ネットで読みました。
http://www.gaden.jp/info/2006a/060916/0916.htm
それに、今までは、まだ良かった?マシであったと思いますが、
これから、蔵書票のコレクターは段々鬼籍に入りますので、
余計苦しくなる一方でしょう。
蔵書票(美術)のコレクターは毎年減少に見合う程、毎年増加しているとはとても言えない。
芸術家=生産者、作り手は毎年何万人も大量生産され、
全員生産するわけでないにせよ、年々増加しつつあるのに、
その購買者、コレクターは毎年増加どころか、年々減少しつつあります。
切手収集コイン収集と同じ道をたどっております。
それは古書業界も同じで、コレクターを育てるということもせずにいたことも
原因の一つだと思います。
この昨今、読書という行為を、人はますますしない傾向にあるのに、
その本に貼る蔵書票は盛んになるわけもなく、
(まあ今の蔵書票は本来の意味での蔵書票ではありませんけど)
一般には、蔵書票の認知度は相当低く、有る程度の蔵書家でさえも、
この日本では実物を見たこともなく、その存在を知らない人も珍しくはありません。
(今の日本における、大量生産としての本は銅版画の蔵書票を貼るに
値するような本は皆無だと思っています)
蔵書票に限らず、上のURLにあるように、この日本では美術品を
気軽に買って楽しむという認識、或いは文化的な素地はあるとは言えません。
一般的には、美術館でのみ楽しむものという固定観念、先入観、
或いは教育によって思いこみがあり、美術品を買うという概念自体が、
一般的な日本人には根底から欠如していると言わざるを得ません。
そんな状況下において、林さんが言うように、蔵書票文化が日本よりは
根強い欧州に販路を求めるという姿勢にならざるを得ないでしょう。
対極的に、ジャニースのあの商法は卓越したビジネスモデルだと思っています。
私が子供の頃から戦略的にアイドルを出し、毎年毎年ファンを増加させて、
その商法を何十年も続けております。
引退するファンはいても、また新たにファンになる女子が確実にいるので、
数が減少することがありません。
芸術家もアイドルも言わば、夢を売る仕事ですが、余りにも違い過ぎます。
ジャニーズはファンを育てるということを全く怠っていません。