『バイロスと日本におけるその系譜~蔵書票展~』Ⅲ

トークイベント終了後、私は何人かの方とお話をする事が出来ました。
日本書票協会会長であり、『西洋の蔵書票バイロスとアールヌーヴォー』
等の蔵書票の著作も数多くある、蔵書票コレクターの内田市五郎さんから
蔵書票の話をお聞きする事が出来ました。
-日本書票協会-
http://pws.prserv.net/jpinet.Exlibris/jpinet.exlibys/association.htm
(記事投稿時には閲覧可能)
レイミア プレス代表・日本書票協会会員・東京製本倶楽部会員の
江副章之介さんからも、色んなお話をお聞きする事が出来ました。
会う前はどんな人だろうと思っていましたが、
実際お会いしてみると、温厚でとてもダンディな紳士でした。
江副章之介さん自身にも直接言った事ですが、
「名前もカッコイイいいが、やる事もまたカッコイイ」と思います。
江副さんはルリユールに興味があり、また自ら理想の書籍を追求しています。
過去にはアルフォンス・イノウエ詩画集「夢の半周」、
http://www.yart-gallery.co.jp/alphonseinouebook.html
(記事投稿時には閲覧可能)
林由紀子銅版蔵書票集『プシュケの震える翅』を去年刊行し、
自己の夢の実現を成就せんが為の努力をしています。
江副さんとお話をしていた時、林由紀子さんが来たので、挨拶をしました。
その江副章之介さんの紹介で、日本書票協会理事の青木康彦さんからも
お話を聞くことが出来ました。
青木さんは過去に、東京・高輪の啓祐堂ギャラリーで、
「青木康彦コレクション 版画集・詩画集と魅惑の蔵書票展」を
開催しています。青木さんも蔵書票コレクターであり、
またフランスの挿絵本のコレクターでもあります。
http://blogs.yahoo.co.jp/azusa12111/43495810.html
(記事投稿時には閲覧可能)
熱気に包まれた会場を後にし、ビルの中から外に出ると、
トークイベントで、バイロスの蔵書票について語っていた、
伊藤文学さんがいました。
伊藤さんは、雑誌『薔薇族』の編集長として知られています。
またバイロスの蔵書票コレクターでもあります。
伊藤さんとしばし話をする事が出来ました。
伊藤さんは温和な紳士でした。伊藤さんはご自分のブログを持っています。
http://www.barazoku.co.jp/
http://bungaku.cocolog-nifty.com/barazoku/
(記事投稿時には閲覧可能)
多忙なところ、お話する機会を与えて下さった、皆様には大変感謝致します。
この場を借りて、お礼を申し上げます。
どうも有難う御座いました。
おかげさまで、とても楽しい時間が過ごせました。

*2011年2月6日追記
特別トークイベント1月29日(土)の中で、
「何故、蔵書票にはエロスが存在するのか」と
いう話が出ていました。
理由はそもそも蔵書は人に見せるものでもないし、
見せびらかすものでもなく、ただ自分だけのもので
自分だけの楽しみです。
言わば自分の女のようなものです。
勿論人に貸す男もいるだろうが、それは例外中の例外で、
普通は有り得ません。
蔵書票もそんな本に貼られるものなので、
人に見られては困るほどのエロスが全開の蔵書票が
多いのです。
(それにフランスの限定挿絵本についてですが、
好色本が多く、その本も人に見せるものでもなく、
ただ自分だけの楽しみの本です)
ですので、そのようなエロス満載の蔵書票が多いのです。
言わば、自明のこれらの理由に対し、
「何故、蔵書票にはエロスが存在するのか」という
疑問が出てくるのは、本来の蔵書票の性質を離れて、
(本に貼るという概念から離れ)蔵書票を交換すると
いった蔵書票の存在意義を逸脱した行為が
今では当たり前の様に発生している事によるものです。
本来蔵書も見せるものではなく、
また、それに貼られる蔵書票も人に見せるという前提で、
作られたのではありません。
ですので、人に見せるのも憚れるような、淫靡な蔵書票が
多いのです。