『バイロスと日本におけるその系譜~蔵書票展~』Ⅱ

トークイベント開催前のヴァニラ画廊のドアの前には
多くの人が行列をつくり、人気の高さを示しています。
最初は数人程度でしたが、時間が経つにつれて
列も長くなりはじめ、階段へそって下の階まで伸びています。
開場を待つ間に、行列の前後の方としばし雑談をしました。
私の前には蔵書票コレクターの方、
私の後ろには、伊藤文学さんのファンの方で、
伊藤文学さんに会いたくて、今回のトークイベントを聞きに来たそうです。
蔵書票という事から、紳士然とした、年配の男性の方ばかりかと
思っていましたが、若い男性女性の姿が目に付きました。
さて、開場です。
受付はヴァニラ画廊の綺麗なおねえさんが二人。
その綺麗なおねえさんに料金を払い、先着順で椅子に座ります。
トークイベントは前部中央のテーブルには、
版画家の林由紀子さん、
版画家であり、銅夢版画工房」主宰の蒲地清爾さん、
日本書票協会会長の内田市五郎さん、
版画家の多賀新さんが座り、
両脇の椅子には、伊藤文学さん、江副章之介さん等が座っています。
この様な配置で、内田市五郎さんの主導の元、
和やかにトークイベントが始まりました。
各人が自分と蔵書票との関係を、時には真摯に、
時にはユーモアも交えて語ります。
トークイベントの冒頭で、内田市五郎さんがこの様に言っています。
「一同に今回の作家が集まるのはまず無く、夢の様な話、珍しい機会」だと。
また、このようにも語りました。
「蔵書票というものの知名度のアップ、今後蔵書票コレクターを増やすには
ネットの活用が今の時代は欠かす事が出来ない」と。
特に印象に残ったのは、とても野生的で男らしい、
銅夢版画工房主宰の蒲地清爾さんのお話でした。
http://doumuhanga.jp/
(記事投稿時には閲覧可能)
蒲地清爾さんの人生は文字通り、波乱万丈です。
29歳で審査を受ける側から、審査をする側になる事が出来たと言い、
それは時の運もあるだろうと語りました。
蒲地清爾さんは約30年作品をつくり、次回は100作目になるという事です。
会場には、銅夢版画工房の版画家の小玉裕子さん、
それに版画家の杉本一文さんの姿も見られました。
杉本一文さんの蔵書票は繊細な描写、独特なエロスがあります。
彼の蔵書票で一番好きな作品は「Goddess of shine」です。
これは、杉本一文さんの蔵書票の最高傑作だと思います。