『なんで今さら・・・。 映画 「ファイト・クラブ」』

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1999年アメリカ制作。139分。
(原題 Fight Club)

なんで今さらだとは思うが、
映画「ファイト・クラブ」を見てみた。
なるほど、こんなにも深い映画だったのかと
感心した。
昔、江戸川乱歩をこう評した人がいた。
「子供が読む小説じゃないか・・・」感じで。
私が中学の頃だった様に思う。
確かに子供向きのポプラ社からの刊行された
乱歩シリーズはそんな感じではあったが、
乱歩の真意はそうではなく、
二銭銅貨」などの初期の作品、
本格的な探偵小説を書きたかったと思うが、
諸事情により、少年向けを書く羽目になったに
過ぎないと思う。
私はその上記の人物と同様に、
今まで本映画をただの表面上でしか
認識して無かった。

私は本映画の存在は20世紀には知っていたが、
確か途中まで見て、あれほどまでの執拗な
暴力描写には呆れ果て、途中で断念した。
しかし最近、何かの拍子に、本映画の意味を
解説したサイトを見つけ、興味を持ち、
今さらながら見てみることにした。
本映画はただの暴力的な映画ではなく、
深いテーマを持った映画だと判った。
正に目からうろこであった。
本映画は素晴らしい。
この「素晴らしい」という、この一言では
表現が不可能なほどの、意味深な映画であり、
また、底が見えないほどの深みを持った映画
であると思う。
この感動、これは言葉では表現出来ない。
不可能である。
言葉は(時には)無力なものである。
この自分の心に響くものは何だろうか。
「驚き」「鑑賞後の余韻」があり、
衝撃的な作品であった。
実際に見て、各人がこの言いようの無い
心の様を感じて欲しいものではあるが、
私は決してお薦めはしない。
本映画は万人向けの映画では決してない。
完全に好き嫌いが分かれる作品である。
完璧に大人(特に男)向けの映画であり、
また、考えるのが好きな人、
謎解きが好きな人向けの映画であると思う。
とても良い映画ではあるし、素晴らしい映画では
あるが、私はもう二度と見ないとは思う。
一度見れば、充分に感じる。