読書 『オーブリー・ビアズリー/世紀末、異端の画家』239冊目

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世紀末、悪魔的エロティシズムの画家、ビアズリー
衝撃的なデザイン感覚とジャポニズムで時代を席巻。
ビアズリー作品および関連図版を140点掲載。
近代デザインの誕生からモダン・スタイルの確立まで言及。
(本書の紹介文より抜粋)

今回は、河村錠一郎編著
『オーブリー・ビアズリー/世紀末、異端の画家』を紹介する。
河出書房新社1998年刊行。
本書はビアズリーの紹介本であるが、
特記すべきはアラステアも紹介されている事だ。
多くは無いが、アラステアについても紹介されている。
本書には、Alastairがアラスターと英語読みになっている。
執筆者河村錠一郎の専門は英国なので、英語読みなのだろう。
しかし、一般的にはアラステアと表される。
Alastairの母国はドイツなので、アラステアの方が
発音的には正しいと思われる。

本書には、アラステアの簡単な紹介がされている。
(以下本書から抜粋)
「アラスター(本名ハンス・ヘニング・フォン・フォークト)は、
一八八七年にドイツのカールスルーエで生まれている。
本人の言によれば、さる王家のご落胤で、フォン・フォークト家に
里子に出されたのだという。マールブルグ大学で哲学を学んだが、
美術は独学で、ヨーロッパ中を旅し、その多彩な才能と話術
(母国語のドイツ語のほかに英語、フランス語が達者だった)
きわめて個性的な生活スタイルで社交界の人気者になった。
愛する女性には金に糸目をつけず、豪華な花束を贈りつづけ、
ホテル代が金に困っている時でもその習慣を止めなかった。
それほど服装も生活哲学もダンディなアラスターには次々と
恋人が出来た。男の恋人もいたようである」
この様に記されている。
これを読むと、とても興味深い人物で有る事が判る。
このアラステアの記述箇所に、(私も架蔵している)
サロメの挿絵が挙げられているが、
それは1922年版(初刊行)ではなく、1925年版のものである。